読書

『「ずる賢さ」という技術 日本人に足りないメンタリティ』"THE ART OF <CUNNING>. The Mentality that Japanese people lack. " by Morita Hidemasa (Japan National Football Team : Samurai Blue) サッカー日本代表 守田英正 読了

なんとなくアマゾンを見ていたら、出て来た本。ずるがしこさを肯定する本を、邦人が書いた点に興味をひかれて、読んでみました。中国でずるがしこさを兼ね備えたヒーローに人気があるのはデフォで、でも邦人がそれを言うんだという。邦人なら、その中国代表…

『パッキパキ北京』《帕基帕基北京》"Pakkipaki Peking (Beijing)" by 綿矢りさ(绵矢莉莎)Wataya Risa 読了

このまんががゴイスー2024女性篇第一位を買いに大塚の旭屋書店に立ち寄ったら、サイン本があったので買いました。本の中華街神保町ならまだしも、大塚なんて、ガチ中華の街池袋の隣り駅ってだけなのに、どんだけサイン本配ってんねんという。 初出「すばる」…

『ラズウェル細木の酔いどれ自伝 夕暮れて酒とマンガと人生と』"ROSWELL HOSOKI'S DRUNK AUTOBIOGRAPHY: Alcohol, Manga, and Life at Dusk" tripartite talk session by paricco, suzukinao-chimidoro and him. ラズウェル細木 パリッコ スズキナオ リモート鼎談 読了

酒ほそ54巻の帯に広告があったので、買いました。WEB太陽2021年7月~2022年9月の連載をまとめたもの。ご本人は、自伝なんてまんずはんかくせ、おしょすいべや、と思ったそうですが(米沢弁だとどう云うのか知りません)手練れのライターふたりのリライトがあ…

『満州アヘンスクワッド (14) 』"MANSHU AHENSQUAD" vol.14 STORY : TSUKASA MONMA 原作門馬司 COMIC : SHIKAKO漫画鹿子(ヤンマガKC)

COVER DESIGN YUSUKE KURACHI (ASTRORB) 初出「ヤングマガジン」'23年7号,8号,10号~17号掲載。 満州アヘンスクワッド(14) (コミックDAYSコミックス) 作者:鹿子,門馬司 講談社 Amazon 200mん部突破!(電子含む)大陸を席捲する阿片アヘン密売クライ…

『ルーマニア、ルーマニア』"ROMÂNIA, ROMÂNIA" by Sumiya Haruya 住谷春也 S-a terminat de citit. 読了

邦人初のルーマニア語作家済東鉄腸サンの本*1に出て来た本で、読もうと思った本のさいごの一冊。ルーマニア文学に関わる先達という文脈で、ルーマニア愛溢れる一冊として出て来たはずです。近隣の図書館に蔵書がなく、県立図書館ならありそうでしたが、他館…

『竜女戦記 6 』"Commentaries on the Dragon Women's battle" vol.6 by Daisaku Tsuru 都留泰作 読了

ブックデザイン 鯉沼恵一(ピュープ) 2023年10月28日刊 竜女戦記 6 (竜女戦記6) 作者:都留 泰作 平凡社 Amazon 追憶を払い、人は修羅を歩む コミック・歴史ファンタジー 予測不能の歴史ファンタジー、新たなステージへ! 平凡社 帯 覚醒の時、来たる! 愛す…

༡༡ བུ་དབུལ་པོ་དང་ཀླུའི་བུ་མོ།《十一 穷汉和龙女》《西藏:མི་རོ་རྩེ་སྒྲུང་། 说不完的故事》པད་མ་ཚེ་བརྟན། 万玛才旦 译(西藏民间故事经典)看完

入手可能とのことでしたので、神保町の中文書籍専門書店で取り寄せてもらいました。中国でも辺境の、青海人民出版社の本がビニルパッケージで配送される時代なんですね。素晴らしい。 青海人民出版社-西藏:说不完的故事 b.hatena.ne 节哀顺变。ペマ・ツェテ…

『IQ2』ジョー・イデ 熊谷千寿=訳(ハヤカワ・ミステリ文庫)"RIGHTEOUS" by JOE IDE <TOKYO HAYAKAWA BOOKS>読了

遅咲きの日系作家ジョー・イデサンによる、コミュ症天才黒人青年の連作推理小説シリーズ第二弾。これ以降の六作四作はすべて未邦訳で、残念閔子騫と思いつつ読みました。 IQ2 (ハヤカワ・ミステリ文庫) 作者:ジョー イデ 早川書房 Amazon Righteous: An I…

『リナーレス夫妻に会うまで』アルフレード・ブライス=エチェニケ "Antes de la cita con los Linares" por Bryce Echenique Alfredo『20世紀ラテンアメリカ短篇選』"A Collection of 20th Century Latin American Short Stories" 野谷文昭 編訳 translated and selected by Noya Fumiaki(岩波文庫)読了

エチェニーケ邦訳作品を読もう!シリーズ最終章。幼年期のまなざし*1からイカレタ放蕩在欧作家の問わず語り*2を経て、本作へ。 「ヨーロッパを放浪する中年の主人公が奇妙奇天烈な妄想を語るのだが、その饒舌ぶりは病的なほどである」(『幾たびもペドロ』同…

『ファミレス行こ。上』"FUAMIRESU IKO." (Let's Go To A Family Restaurant.) Upper Volume by Wayama Yama 和山やま(BEAM COMIX)読了

取り置きのラズウェル細木『酔いどれ自伝』を紀ノ国屋書店に取りに行って、ついでに見かけて買った本。 22? 裏表紙にこういうカードが入っていて、 FUAMIRESU IKO. Yama Wayama 取ると、目玉焼き載せハンバーグステーキが出てきます。英題はここから。"FAMI…

『舞踏会』"Butōkai" (A Ball) by Akutagawa Ryūnosuke 芥川龍之介(青空文庫)読了

ケズナジャッサンの『鴨川ランナー』を読んだ時、米国人主人公の渡日を当時のガールフレンドが「オキクサンやりに行くんでしょ」と揶揄したその「オキクサン」が分からないので検索して、『お菊さん』(岩波文庫)『ロチのニッポン日記 ーお菊さんとの奇妙な…

『パラカスでジミーと』"CON JIMMY EN PARACAS" por ALFREDO BRYCE ECHENIQUE A・ブライス=エチェニケ 野谷文昭 訳(集英社ギャラリー[世界の文学]全20巻)⑲ラテンアメリカ 読了

ペルー文学におけるポストジョサ世代の旗手なはずのブライスヘッドふたたびサンの『幾たびもペドロ』を読んで肩透かしをくらった*1ので、ほかも読もうと思って読んだのが本書です。 www.shueisha.co.jp 月報収録エッセーは四方田犬彦『複製の時代ーボルヘス…

『IQ』written by JOE IDE ジョー・イデ 熊谷千寿訳 translated by Chitoshi Kumagai(ハヤカワ・ミステリ文庫)HM=Hayakawa Mystery 読了

ニーナ・ルヴォワルサン『ある日系人の肖像』(扶桑社ミステリー文庫)*1の感想を書いている時に検索で知った小説。そのうち読もうリストに入れっぱなしのまま忘れていて、ふと思い出して、借りて読みました。 IQ (ハヤカワ・ミステリ文庫) 作者:ジョー イ…

『酒のほそ道 五十四 』"SAKE NO HOSOMICHI 54"(The Narrow Road to/of Sake)[酒と肴の歳時記]"Seasonal Calendar of Sake and Snacks" by ROSWELL HOSOKI ラズウェル細木(ニチブンコミックス)(NC NICHIBUN COMICS)読了 読書

冷蔵庫に数日入ったままのミスドのオールドファッションを食べたら、朝食用にとってあったものだとのことでしたので、イオンモール座間のミスドに改めて買いに行ったついでに覗いた紀伊国屋書店で買いました。 酒のほそ道 54 作者:ラズウェル細木 日本文芸社…

『あつあつ!スタグル旅』01 "(In Love With) STADIUM GOURMET TABI (=Travel) " VOL.1 NOHDA TATSUKI 能田達規(HC ヒーローズコミックス)読了

農業用シルバーマルチが近所のJAにないかったのでアマゾンで買って、送料無料にしようと思って、なんか一緒に買うものないかと漫画家さんの名前を打ち込んでたら、のー先生の新刊があったのでポチりました。 あつあつ!スタグル旅(1) (ヒーローズコミックス)…

『幾たびもペドロ』"TANTAS VECES PEDRO"(La pasión según San Pedro Balbuena que fue tantas veces Pedro, y que nunca pudo negar a nadie)(幾たびもペドロとなり、誰をも決して拒めなかった聖ペドロ・バルブエナによる受難)por Alfredp Bryce Echenique ブライス=エチェニケ(ラテンアメリカの文学 18)集英社 読了

ペルー文学におけるポスト・ジョサ世代の代表格ということでしたので、読んでみたのですが、飛んでもハップン歩いて十五分、その手は桑名の焼き蛤でした。 幾たびもペドロ (集英社): 1983|書誌詳細|国立国会図書館サーチ ●シリーズ編集委員 篠田一士|鼓直…

『開墾地』"A Clearing" زمین زیر کشت توسط گریگوری خزرنجاة by Gregory Khezrnejat グレゴリー・ケズナジャット 読了

作者の前作『鴨川ランナー』*1を読んで、なんでこの人はイラン人の苗字なのにクリスチャンネームのグレゴリーなの? とものすごく疑問に思い、次作の本作ではイラン人は養父とのことだったので、速攻読みました。 開墾地 作者:グレゴリー・ケズナジャット 講…

『うみべのストーブ』"THE SEASIDE STOVE" by Oshiro Kogani 大白小蟹 "TORCH COMICS" 読了

「この漫画が凄い二〇二四」*1第一位が、リイド社のこの短編集だったので、へえと思い、読もうとして、大塚*2の旭屋書店で買いました。瞬間的に売切増刷待ちになる前に買おうと焦ったのですが、後述するようにそれは杞憂でした。 トーチweb うみべのストーブ…

『迷い家ステーション』① "MAYOIGA STATION" Vol.1 by OYAMADA IKU 小山田いく SHONEN CHAMPION COMICS(少年シャンピオンコミックス)

All of a sudden the station appeared out of the fog. Mayoiga - Wikipedia せっかく小諸に行ったので、何も読まないのもなんなので、ブッコフで買って読みました。¥330。「ポイント290ポイントあるけど使いますか」と言われ、「お願いします」と答えたの…

『屍鬼二十五話』〈インド伝奇集〉वेतालपञ्चविंशतिका सोमदेव "Vetālapañcaviṃśatikā" Somadeva 上村勝彦訳 translated by Kamimura Katsuhiko(平凡社東洋文庫323)読了

『チベットのむかしばなし しかばねの物語』*1を読み、この説話集がインドからチベットに伝わったこと、インドではちがった味わいの話だったこと、と、あったので、インド版も読んでみました。 サンスクリット版が中世にあって、近世になると、ヒンディーや…

『1984年に生まれて』《生于一九八四》郝景芳 "Born in 1984" chapter 00000. by Hao Jingfang 第00000章 櫻庭ゆみ子訳 translated by Sakuraba Yumiko 読了

主人公と作者はずいぶん違うのに、なんで重ね合わせるレビューがあるんだろうと、少しふしぎでしたが、やはり別人という落ちです。 上は見返しの紙の、浮彫模様。 本書は英訳界ではスルーされているようで、著者の英訳小説のkindleを検索した時も、“liulangc…

『スリランカから世界を眺めて』"The view from Serendip" by Arthur Charles Clarke アーサー・C・クラーク 小隅黎=訳(ハヤカワ文庫NF)読了

軌道エレベーターを描いた『楽園の泉』を読んだら、思いもがけずスリランカ(を強引に赤道直下に移動させた架空の島)が舞台でしたので、この人、私の予想以上にスリランカが好きなんだなと思って、これも読んでみました。1960年代から70年代までのエッセー…

『鴨川ランナー』"KAMOGAWA-River RUNNER" دونده رود کامو by Gregory Khezrnejat گریگوری خزرنجاة グレゴリー・ケズナジャット 読了

これも、済東鉄腸サンの本*1に出て来た本の中の一冊。どういう文脈で出て来たのか、もうまったく忘れてます。 bookclub.kodansha.co.jp 鴨川ランナー 作者:グレゴリー・ケズナジャット 講談社 Amazon 装画=鮫島ゆい「Ordinary picture(Frame)」(2020年)…

『ポトスライムの舟』"THE POTHOS LIME BOAT" by TSUMURA KIKUKO 津村記久子(講談社文庫)読了

作者の本を何冊か読み、芥川賞受賞作も読んだ方がいいと思って読みました。 ポトスライムの舟 (講談社文庫) 作者:津村 記久子 講談社 Amazon 読んだのは文庫本。「解説 自由への航海」中川礼二、否、安藤礼二(文芸評論家)所収。著者の本の特徴として、単行…

『SPUNK -スパンク!-』1 新井英樹 ARAI HIDEKI 参謀 staff officer 鏡ゆみこ KAGAMI YUMIKO(BEAM COMIX)読了

これがあれかあ、今期地上波ドラマ化『ゆりあ先生の赤い糸』の原作まんがのあとがきだかブログだかで、お父ちゃんが湯水のように取材費を使って、心配させまくって、ようようスタートのまんがかあ、と、アマゾンでてきとうに見つけて思い、ポチって、五冊く…

『バッカーノ!The Rolling Bootlegs』"BACCANO!The Rolling Bootlegs" Written by Narita Ryogo Illustrated by Enami Katsumi 成田良悟 イラスト:エナミカツミ(電撃文庫)読了

済東鉄腸サンの本*1に出て来た本の中の一冊。どういう文脈で出て来たのか、もうまったく忘れてます。が、読みました。たぶんこのシリーズをいちばん熱く語ってたんじゃいか。 バッカーノ! The Rolling Bootlegs (電撃文庫) 作者:成田 良悟 KADOKAWA Amazon …

『1984年に生まれて』《生于一九八四》郝景芳 "Born in 1984" chapter 17. by Hao Jingfang 第十七章 読了

伏線を回収しないでアオサギにまかせてもいいのでしょうが、作者はきちょうめん。ホテルニューハンプシャーのように時計の針が逆回りして、1984年10月4日、主人公が生まれた朝に戻り、父が母の分娩に立ち会えなかったことの詳細、誤解、ほんとうは愛されてい…

『美味しんぼ』㉔ カレー勝負 "Oishinbo" vol.24 "Curry match" Written by Kariya Tetsu Illustrated by Hanasaki Akira 作:雁屋 哲  画:花咲アキラ(ビッグコミックス)読了

忘年会で「美味しんぼにも登場するモルジブフィッシュ」について話を聞いたので、その巻を読んでみました。ブッコフで¥110税込。 装丁/海野一雄 カバー・フォト/菊地和男 美味しんぼ(24) (ビッグコミックス) 作者:花咲アキラ,雁屋哲 小学館 Amazon ww…

『そのカワイイは誰のため? ルッキズムをやっつけたくてスリランカで起業した話』"Who is that KAWAII for? The story of how I started a business in Sri Lanka to beat lookism out." by Maekawa Yuna 前川裕奈 読了

なんとなくスリランカの本を探していて、ネットサーフィンで出て来た本。近隣の図書館に蔵書がなく、以前フィリピンとのダブルの女性のミシシッピー川下り旅行記などを買った冒険の書店なら置いてるかと思いましたがないかったので、紀ノ国屋にネットで注文…

『小犬たち/ボスたち』"Los cachorros / Los jefes" por Mario Vargas Llosa M・バルガス=リョサ(ラテンアメリカ文学叢書7)読了

私はこれだけペルー料理を食べていながら、ペルー初のノーベル賞受賞者である著者の小説をまだ読んだことがなく、それどころかボルヘスとバルガス=リョササンの区別がついていませんでした。ボルヘスが『エレンディラ』を書いたと思い込んでいたり、いろい…