『アルコール問答』 (岩波新書)読了

アルコール問答 (岩波新書)

アルコール問答 (岩波新書)

おなくなりになった後の検索で初めて、
この人が久里浜病院の先生だと知りました。
パパのおくりもの (文春文庫 113-1)

パパのおくりもの (文春文庫 113-1)

上記の本↑のイメージだと、
緑の目の嫁さんを持つお医者さん、としか思っていませんでした。
で、私はタナカツ信者なので、この人のこの↓本が非常に嫌いでした。
民族という名の宗教―人をまとめる原理・排除する原理 (岩波新書)

民族という名の宗教―人をまとめる原理・排除する原理 (岩波新書)

民族は宗教ではありません。宗教ごとに言語が違ってたまるか。
なぜもっと、ご専門のアルコールの本かかなんだのかなあ。

頁21
中毒を分かりやすく図式化しますと、人によって差はありますが、清酒に換算して三合から四合のアルコールを十年飲んでいると、早い人は中毒症状を出す」
「ははあ」
「これはあくまで図式ですよ。たとえば強い酒をもっと大量に飲む人は、七、八年で幻覚が出てきます。三合くらいの酒を十三、四年飲んでいても、体質の差から、幻覚や妄想が出てこない例もあります」
「個体差があるってことですね」
「ええ。でも、その人たちも、長い時間でみれば、いちおうこの図式に当てはまります。さてある人がこれに当てはまって、その人が十年でアル中になるとします。だが、その人が八年目のときはどうだったでしょう。十分の八まできたところですが、まだ中毒症状はありません。だから、自分は中毒じゃない、と飲みつづけている」

分かりやすい説明です。

頁116
「しかし、退院させ、家に戻すと、すぐにお酒を飲み始めます。そして瞬く間に、また幻覚や妄想を出すようになり、再入院してきます。これはもう話しましたね。初めて中毒症状を出すには、長い間、十年も二十年もかかったのですが、再飲酒の場合は、すぐに中毒症状を出します」

頁142
フランスでもパリのような大都会で、けっこうプロテスタントが多いところでは、AAが活動していましたが、田舎ではカトリック系の組織「青い十字」などがほとんどでしたね」

日本のAAで、教会でやってる場合寡聞にして新教の教会を知らないので、
カソリックとのつながりが強いのかな?と思ってましたが、フランスは違うのか。
いやほんと、民族は宗教とか言ってるヒマがあったら、
下記の実現に邁進してほしかった。ご自分の専門に邁進してほしかった。

頁208
 「ええ、いいところに気がついてくれました。酒が作った病気の尻拭いを健康保険にさせるのは、ぼくも筋違いだと思いますよ。健康保険が、赤字になったら、これらの病気の治療の部分だけでも、絶対に酒税で穴を埋めるべきですよ」
 これには二人とも文句なく賛成した。そしていった。
 「酒が作った病気の治療は、酒税でするべきです。健保が赤字になったからといって、簡単に負担金を増やすべきではないですよ。もし、酒税で不足するなら、それを埋めるために酒税を増税するといっても納得します。

そんな主張を掲げておられる人とは知りませんでした。
もっとそれを言い続けてほしかったです。