『今夜もひとり居酒屋』 (中公新書)読了

今夜もひとり居酒屋 (中公新書)

今夜もひとり居酒屋 (中公新書)

わりととりとめのない本。中央公論連載のエッセーをまとめたとのことですが、
なぜ文庫でなく新書なのだろう。文庫で出すべき本だと思います。
そういえば、今連載してるとかいう南條竹則まだ読んでない。

とりとめのないエッセーなのですが、
世界がとても狭いからそうなってしまったのか、と思いました。
下記がまるで世界に存在しないかのように淡々と居酒屋について語られている。

・チェーン店の居酒屋
・中華や焼き肉
・お車と地方の居酒屋、街道に面した居酒屋の問題
・アル中
・下戸
・カラオケ
・コンビニ酒

突き出しや料理、常連、店のタイプなどさまざまな分類をしてるのですが、
上記のない世界、チャイナ・ミエヴィルの小説のように、
上記が見えていない口に出してもいけない世界なので、不完全不確かな感じがしました。
さすがカフカの人。海辺じゃない方のカフカの人。

都市と都市 (ハヤカワ文庫SF)

都市と都市 (ハヤカワ文庫SF)

頁80で、スペインのバルの生ハムに匹敵する日本の居酒屋のとっておきについて
考えておきながら、頁179で、よその国の地元の居酒屋には行きずりが楽しめる
味はめったにないという。

頁180
 居酒屋はその国、その土地固有の食べ物文化、飲み物の伝統と強く結びついている。それが証拠にこれだけグローバル化したというのに、日本の居酒屋に青い目の呑み助や、チャンさん、キムさんの仲間はまずもって見かけない。

そうじゃないと思いますが、確固たる信念世界観のもとに見ていないのだから、
仕方ないと思いました。(しょん横なんか、自称ミャンマーと福建人の店員ばっかじゃないか)
飲み方は上品ですけどね。アテをちゃんと頼んで、酔ったなと思った少し先で止める。
記憶を失う等の描写はない。迷惑酒はあるが暴力酒は書かない。
それでよいとして、それ以外は考えてはならぬ。以上