Gコミックス『酒のほそ道 宗達の食べ歩きバラエティ』読了

ISBN:978-4-537-16022-2
http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/1106304850/subno/1

出版社のサイトにすら情報がないとは、コンビニマンガふびんや。
当然アマゾンや楽天でも見つからない。7&Yで出てきたのでURL貼ります。
表紙に、「単行本未収録作品掲載!!」と書いてあるんですが、
また表紙が画像検索で出てこないんですね。
たぶん、次の単行本に収められる予定の、初出ほやほやの話だと思うんですが。


頁23の手こね寿司に関して、同じマンガ家の森田信吾が全く異なる解釈をしています。
手こね寿司は船上のまかない食でなく、伊勢志摩の人間がハレの日に食べるもの。
メインのごちそうは、山がちの漁村ではあまり採れず、交易で手に入れることが多いので、
普段腹いっぱい食べれない「コメ」である。
どちらの解釈が正しいか私は分かりませんが、
ラズウェル先生もワセダ一文で学んだ?江戸時代、日本近世に詳しい人ですし、
森田先生はこれまた在野でマンガの資料として日本近世を勉強した、
いわば習わぬ経を読む門前の小僧です。
対談とかしたら面白いかもしれないですね。
http://morningmanga.com/media/2011-10/thumbnail/news_thumb_5_morning_syoku.jpg
http://morningmanga.com/news/1503

頁254の鉄火巻は、寿司マンガの名作『音やん』でも、
「賭け事をしながらつまむために考案された食物」として、
西のサンドイッチ、東の鉄火巻として紹介されています。

ふっと思い出しました。既刊二十巻のどのへんかというと、
商売には不向きな住宅街のなかに店舗を構えて、
高額納税者層のハートをがっちり掴んで大繁盛する後半です。
素晴らしいファンタジーだ。

頁147の歩き飲みは、身につまされる話でした。
ここに書かれているやむを得ない理由以外のやむを得ない(と当人だけが思っている)理由、
たとえば家人の前で酒が飲めず外で店に入る金もない、などの理由は、
否認の病気といわれるアルコール依存症の要件をひとつ満たしています。
よく読むと理由になってない、問題と正面から向き合っていない、みたいな、ね。

頁180のノンアルコールビールについては、まったく同感。
イランで、イラニャービアというのを飲んだことしかないのですが、
禁酒国がノンアルのビール売ってても、誰がごまかされるかという気持ちだった。
コーラなどの炭酸飲料を充実させればいいのにと思った。
アメリカと戦ってるからコーラはNGだったのかな、ノンアルのビールよりも。