『ハリスおばさんパリへ行く』読了


ハリスおばさんパリへ行く (1981年) (セシール文庫)

ハリスおばさんパリへ行く (1981年) (セシール文庫)

アクションジャーナル総集編*1の紹介が面白そうだったので、
借りました。じゃりン子チエに関するコラムで取り上げられた、
貧困生活のなかでささやかな幸福を求める小説三篇のひとつ。
もともとタイトルだけは知っていたので、よい機会でした。
きっかけがないと、いつまで経っても手を伸ばさない。

copyrightのページを見ると、翻訳権は講談社でなくタトル森が取得しており、
先年復刊ドットコムから出た際のイラストが別の人なのはそれでか、と思いました。

http://www.fukkan.com/fk/VoteDetail?no=2517
→2004/12/07
交渉情報追加
投票者の皆さま、おめでとうございます。著作権関係者各位から出版のご許諾を全て頂くことができました。来春の復刊に向けた準備に入ります。
                         (交渉先:出版社以外)

上田とし子(トシコ)さんのイラスト権利は講談社で、
復刊時つかわしてくれなかったってことなんですかね。憶測ですが。

ハリスおばさんパリへ行く (fukkan.com)

ハリスおばさんパリへ行く (fukkan.com)

復刊ドットコムのイラストの方のホームページ*2を見ると上田三根子さん*3に師事、
とあり、三根子さんという方はトシコさん*4の縁者だろうか、
その縁あって復刊ドットコムはサカイノビーさんの仕事になったのかな、
と思ったら、三根子さんご自身がとし子さんの縁者でないとTweetしてました。

https://twitter.com/minecou/status/186786133303242752

えらい時代だわ。

http://ecx.images-amazon.com/images/I/51oMbuYv0nL._AA300_.jpg上田とし子さんのイラストはこんな感じ。
のはずですが、
私が借りたセシール文庫版には、
当時新しく開発された、
正面からの鼻はこう描け!の
技法に果敢に挑戦したカットがありました。
劇画だけでなく、少女マンガでも当時、
この眉から鼻ライン、あったなあ、
みなさん、試してみたかったんだなあ。

男性の頬にキズがあるのは、
アルジェリア戦争
負傷したからです。

お話は、イギリスのおそうじオバチャンが、偶然目にしたディオールのドレスに心を奪われ、
爪に火をともして貯蓄、あとtotoに当たったりしてパリ買い物弾丸ツアーを敢行、
そうだよ人生こういういいことがなくっちゃあ、
と読者に思わせるや否やブチ壊しの凶事や惨事発生態勢立て直していいふいんき
アッーどん底
みたいな話です。下記の要素をミックスした感じかな。
下記がこの小説からインスピレートを受けたんだと思いますが。


さいごに起こるいいことは、物質的ないいことではありません。
下記の本で出光の会長が言うようないいことです。
弁証的唯物観から脱して人の絆、和の尊さのなかで生きる、みたいな。春秋社頑張れ。
マルクスが日本に生まれていたら

マルクスが日本に生まれていたら

むかしのイギリスのtotoはハガキに書いて投函、
当たると返信のかたちだったらしく、楽でいいなあと思いました。
今の日本、コンビニで百円三百円の買い物に付き合う店員いやだろうなあ。
ただでさえタバコ屋の役割担わされてうんざりしてるのに。
これでコンビニで馬券舟券車券買えるようになったら…早くそうなれwww
冒頭にTVドラマ動画置きましたが、イギリス下町訛りだと、
"Mrs.Harris"が"Mrs.Arris"に訛るのだそうで、コックニーなんですかね。
動画冒頭でも、ウェイトをウァイトとゆうてますが、あとは私には聞き取れません。
Hand of Mary Constable

Hand of Mary Constable

解説みると、訳者の人は、ギャリコのこの作品が好きみたいです。墓場と通信する話。
ポセイドン・アドベンチャーや猫の話で有名な著者だそうです。
ガリコよりギャリコのほうが原音に近いんじゃないかと最初思いましたが、
グレタ・ガルボとか、レディー・ガガとか、ガリガリガリクソンとかいるから、
「ガ」の人のほうが普通かもしれません。
チベット人ペマ・ギャルポについて話した時、
相手の発音が「ガルポ」でしたが、それはまた別の話。