「西洋人がとらえた明治の日本語」聴講

http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/image/652942.jpg
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f440039/p716406.html
愉快でした。
B・H・チェンバレンというお雇い外人*1の下記著書からの考察を、
噛み砕いて講義して下さいましたです。
チェンバレンさんは、専門的に言語を学んだ人物ではありませんが、
フランス育ちのイギリス人で、ドイツ人家庭教師からも学んでおり、
言語のコツをかなり心得た人物だったようです、とのこと。
http://covers.openlibrary.org/b/id/6349748-M.jpg
https://archive.org/stream/ahandbookcolloq02chamgoog
https://archive.org/details/ahandbookcolloq02chamgoog
明治時代で、手探りで文法作ってますから、
現在の助詞を「後置詞」と設定してみたり、数詞があるのではと探ってみたり、
エスと「はい」「うん」は対応しないと喝破したり、
否定の代名詞(Nobodyとか)がないとか、擬人法がないとか指摘して、
かつ助動詞の項目を作らなかったということです。

また、西洋人がおかしやすい誤りとして下記を挙げているそうです。

  • 「どーぞ」「どぞー」を間違えるなど、伸ばす場所の混同。
  • 人称代名詞の使い過ぎ。「私は〜」「私は〜」「あなたは〜」「あなたは〜」
  • 形容詞と名詞の間に「の」を入れる。「美しいの人でっすねー」

西洋人は道で会った相手の家族が入院してることを知っていたら、
「その後お加減(ご容態)はいかがですか」と聞くなどとんでもないそうです。
「私は一日も早いご快癒を衷心から祈っておりますですよ」みたいな切り出しでないとダメとか。
けど日本人は前者のような聞き方をしてくるので、それは慣れなきゃダメだとしてます。
今と違って、明治の日本庶民はエイゴチンプンカンプンですからね。
お雇い外人のほうが慣れなきゃいけないわけです。そういう精神指南書です。

そのへんがとても面白かったです。どっとはらい