アル中探偵マット・須賀田さんシリーズ
- 作者: ローレンスブロック,Lawrence Block,田口俊樹
- 出版社/メーカー: 二見書房
- 発売日: 1999/05/01
- メディア: 文庫
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読んだのはハードカバー版。
ビデオテープが重要なツールなので、VHSの表紙です。
文庫化の時はまだビデオ淘汰されてなかったはずですが、
表紙変ってますね。原題は少し恥ずかしいです。
A Dance At The Slaughterhouse (Matthew Scudder Book 9) (English Edition)
- 作者: Lawrence Block
- 出版社/メーカー: Orion
- 発売日: 2011/10/20
- メディア: Kindle版
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(エドガー賞 長編賞)をとっていますが、
ラスト、晴らせぬ恨みを、
昼行燈の須賀田センセイとその仲間たちが
たちまち起こる剣劇の響きで、
バッタバッタとなぎ倒してゆくので、
そのせいかな、と思いました。
「さむれえをやとうだ、
野武士に対抗するにはそれしかねえだ」
前作で須賀田さんのスポンサー的存在だけれどもちがかった町の印刷屋は、
本作で、正式に助言者(スポンサー)になっています。
この作品で須賀田さんはヒマさえあれば自助グループの集会に顔を出してるので、
なぜと思うかもしれませんが、自助グループにつながったアル中とは、
そういうものみたいです。分からないかもしれないが、足に脳がついているとか
なんのことだと思うかもしれないが、そういうことです。
http://www.drinkingdiaries.com/2011/08/15/a-a-what-led-me-there-what-keeps-me-going/
頁252で小槌で説教台を叩く会場が出てくるので、アメリカのAAはそういうものかと
思って、""AA meeting"で画像検索しましたが、上のような、椅子を輪にした、
日本と同じタイプのセッティングばかりヒットしました。
頁69には、椅子を片付ける役目が登場し
(元警官の須賀田さんもそれに従事し、いそしむ)、
そこは日米同じだと思いました。
ただ、アメリカでは禁酒する人たちが日常に存在し、日本では見えない。
だから、小説で当たり前にありふれた光景として描いているひとつひとつが、
私たち日本人にとってはフォービドンな時が多く、
それで小説の描写が不思議な感覚を伴って目に入ってきたのだと思いました。
頁333
「大きなお世話だ。おまえみたいなアル中に、世話を焼かれるほどおれは落ちぶれちゃいないよ」
「別に世話を焼くつもりはないよ」
「焼かれてたまるか。でも、何かい、あんたの行ってる集会じゃそういうことを教わるのか?人が静かにグラスを傾けようとしてるときに、いかに聖人君子づらして人を不愉快にさせるか。集会じゃそういうことを教わるのかい?」
「いや」
「自分じゃ酒をコントロールできない腰抜けが威張るんじゃないよ。あんた、世界中の人間を素面にしろなんて神様に頼まれたのかよ?」
「いや」
「坐れよ。どこへ行く?いいから坐れ」
「そろそろ帰るよ」
ちなみにこの小説の最後のセリフは、これです。
チャンネルはそのまま! 1―HHTV北海道★テレビ (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)
- 作者: 佐々木倫子
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/01/01
- メディア: コミック
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そう思います。作者は作品開始時、たぶんあまり知識はなかった。
作者自身もお酒とのおいかけっこで追いつかれたのか、
一作ごとに主人公のアル中はリアルに進行しました。
で、須賀田さんが底を突く前から、否認の状態で始まったこのシリーズも、いま満開。