『やし酒飲み』 (岩波文庫)読了

やし酒飲み (岩波文庫)

やし酒飲み (岩波文庫)

出先に読む本がなくなって、仕方なく買った本

内容紹介
わたしは、十になった子供の頃から、やし酒飲みだった」――。やし酒を飲むことしか能のない男が、死んだ自分専属のやし酒造りの名人を呼び戻すため「死者の町」へと旅に出る。その途上で出会う、頭ガイ骨だけの紳士、指から生まれた赤ん坊、不帰(かえらじ)の天の町……。神話的想像力が豊かに息づく、アフリカ文学の最高峰。1952年刊。

作者はナイジェリアのヨルバ族で、クリスチャンだそうです。
ナイジェイアというと、投資サギや石油、鬼瓦系の顔のアフリカンの印象。
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貧乏家庭に生まれながら、若い頃は学問の道を目指したが、
下宿先で橋田寿賀子ドラマみたいないじめ?に苦しんで学業放棄、
いろいろあって銅職人(カッパースミス)として生きる傍ら、
ピジン英語で小説を書いた、という人生だったようです。
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お話としては語り部が語るホラ話、貴種流離譚なので、
数字を真に受けると何が何やらみたいな造形のキャラがバンバン出てきます。
深く考えず読む。
解説の多和田葉子さんもよろしかったです。jujuの注釈がなかったのは残念。
【後報】
ほら男爵とか落語の頭山とか、白髪三千丈とか、そういうアレです。言葉のギミック。


http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/320331+/img/lead.gif
比喩であろうとなかろうと、語り部がどんどんストーリーを紡いでゆくのを、
口を開けてぽかんと眺めるのみ。相手は憑依されてるから仕方ない。
(2014/4/15)