上の画像は、アスピリンの製薬会社にありました…
http://www.aspirin-lady.com/html/episode/11/index.php
アスピリン・エイジ〈上〉 (1979年) (ハヤカワ文庫―NF)
- 作者: イザベル・レイトン,木下秀夫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1979/02
- メディア: 文庫
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小田基『禁酒法のアメリカ―アル・カポネを英雄にしたアメリカン・ドリームとはなにか』
PHP
読書感想:http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20140517/1400330922
岡本勝『禁酒法―「酒のない社会」の実験』
(講談社現代新書)
読書感想:http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20140102/1388648443
岡本勝『アメリカ禁酒運動の軌跡―植民地時代から全国禁酒法まで』
(MINERVA西洋史ライブラリー)
読書感想:http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20131119/1384850197
Frederick Lewis Allen,藤久ミネ『オンリー・イエスタデイ―1920年代・アメリカ』
(ちくま文庫)
読書感想:http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20140708/1404781664
なかなか読み終わらないので、とりあえず上巻だけまず感想を書きます。
イザベル・レイトンという人は編者で、
1919-1941間のアメリカの人物について、
それぞれ腕のあるライターがスケッチした、という本です。
禁酒法について、おもしろおかしい禁酒取締官イッジー&モー。
焦燥感から絶えずトランプゲームをし続けた大統領トマス・ハーディング。
ハーディングについては黒人の血が入っているのではという説が紹介され、
本当にネイティヴアメリカンの血が入った大統領、
カルヴィン・クーリッジへと続きます。
そして、19世紀ネイサン・フォレストのKKKとは全く似て非なる、
大戦間のキュー・クラックス・クランについて語られます。
KKKがなぜアンチカトリシズムなのかわからないと、
以前『オンリー・イエスタデイ』の感想に書きましたが、
これを読んで初めてわかった気がします。
中巻はセッコ&ヴァンゼッティから。
後報でもう少しこの読書感想は肉付けします。
【後報】
イッジー&モーの英語版Wikipedia
Izzy Einstein and Moe Smith
http://en.wikipedia.org/wiki/Izzy_Einstein_and_Moe_Smith
彼らふたりは連日新聞の一面を飾るほど華々しく滑稽な成果を挙げた禁酒取締官で、
全国に千五百人ほどしかいない、年収二千五百ドルの禁酒取締官のうち、
もっとも業績を(目に見える形で)挙げて全米の人気者になりましたが、
上層部の嫉妬を買い、
すなわち、総本部はとくに声明を発し、
禁酒取締官の仕事が新聞でもてはやされることは、
この神聖な職務にたいする冒瀆である、
というとんでもないこじつけの理由をもって、
以後、その職務に関連し、新聞雑誌に名前が発表された取締官は、
停職その他の懲罰にふす、
という布告を出され(頁96)、
ニューヨークからシカゴへ転勤を命ぜられ、辞表を出して拒否し、クビになりました。
KKKがアンチカトリシズムをとったのは、元来アメリカにはそれがあったからだそうです。
ノウ・ナッシング(Know Nothing)1850年代の米国反カソリシズム 日本語版Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%82%A6%E3%83%BB%E3%83%8A%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B0
American Protective Association 1890年代の全米反カソリック 英語版Wikipedia
http://en.wikipedia.org/wiki/American_Protective_Association
頁215
(1)こんどの戦争ではっきりわかったように、外国人は恐ろしいものである。
(2)カトリック教会は、外国に住んでいる外国人の法王によって支配されている。
(3)したがって、カトリック教会はおそろしいものである。
大戦間のKKK隆盛の背景を読むと、アムウェイみたいです。
頁231
団員の入会費は一〇ドルだったが、そのうち四ドルが、入会誓約が行われるとともに、支部の会員勧誘係であるクリーグルの手取りとなり、他の一ドルが、州の会員拡充責任者であるキング・クリーグルの懐に入り、さらに五〇セントがグランド・ゴブリンに、残りの四ドル五〇セントが、クランの首都アトランタに流れていった。
頁231
このようにクランの組織は上から下まで、だれでも金がもうかるような仕組みになっていたのである。
かくて、僅々一年半たらずの間に、クランは一〇万以上の人々をかもにしてしまったのである。
先の禁酒取締官イッジーは、黒人に変装して黒人街に乗りこんだりしてますが、
そんな新聞記事がまだ信じられる時代だからこそ、KKKは伸張したのでしょう。
(2014/8/4)
【後報】
この本に出てくる人びと、事件。
・ヴェルサイユ講和条約、ウィルソン大統領、彼が国連に見た夢と現実
・イッジー&モー、禁酒法
・エイミー・センプル・マクファーソン、ラジオとキリスト教
http://en.wikipedia.org/wiki/Aimee_Semple_McPherson
日本のラジオと仏教講話の関係を思い出しました。
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・トマス・ハーディング
・KKK
・カルヴィン・クーリッジ
・デンプシーを倒した男(が後年ライターに転身して自筆)
(2014/8/21)
【後報】
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