『さらば銀座文壇酒場』読了

さらば銀座文壇酒場

さらば銀座文壇酒場

四冊連続で読書感想書き終えていないのですが、
今日はとにかくぶっ続けでPCに向かってしまい、精根尽きました。
後報です。ほかの方のブログも見に行けなくてすみません。

【後報】
どんな人の著書なのか白紙状態で読んだのですが、
漫画サンデー初代編集長で、Wikipediaにも項目のある方でした。

峯島正行 Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B3%AF%E5%B3%B6%E6%AD%A3%E8%A1%8C

だからなのか、やはりマンガ家関連は精彩を放っていた感があります。
それと、吉行淳之介の酒アンソロジーをかなり取り入れてはいるのですが、
それ以外の、往時の週刊誌記事などの引用も微に入り細を穿っていて、
私は大宅壮一文庫を利用したことはないのですが、利用すればこんな芸当が出来るのか、
利用してもこんな芸当は出来なくて、ひとえに著者の腕なのか、
1925年生まれの著者の2005年の本ですから、傘寿の刊行物ということになり、
たとえアシスタントがいたとしても、これはすごいと思いました。

だいたいこういうお店が出てきます、という意味で、下記を貼りますが、
いくら本の奥付に書いていないとはいえ、
著作権法とその例外はコモンセンス、グッドセンスですから、
白く塗りました。ホワイトアルバムジェントリーウィープス。

いきなり第一章にこの方が出てきて、存じ上げませんでしたので、
勉強になりました。

坂本睦子 Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9D%82%E6%9C%AC%E7%9D%A6%E5%AD%90

花影 (講談社文芸文庫)

花影 (講談社文芸文庫)

いまなぜ青山二郎なのか (新潮文庫)

いまなぜ青山二郎なのか (新潮文庫)

頁29
睦ちゃん
睦ちゃん
もう遊びに来ないのかい
待っていたのにね
でも仕方ないや
むうちゃん
さようなら          相馬堂

第一章は、ほかにはせ川なども出して、文壇バー前夜、
料亭やカフェ、女給といった言葉が似合う、
戦前からの時空連続体銀座を描いています。

で、第二章で、料亭芸者からバーホステスへのパラダイムシフトが語られます。
第三章は、文壇バーかつ高級バーの頂点二店のママが白洲次郎を取り合う噂と、
そのうわさをモデルにした小説が出てきます。
秋田美人と京女(しかも祇園から東京進出)だけでお腹いっぱいなのに、
前々章で正子、今度は次郎かよ〜、という気分でした。読んでて。
プリンスって、いるんですね。

夜の蝶 [DVD]

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その後、高級バーと文壇バーは分岐し、文士劇や文化人歌謡ショーのような催し物が隆盛、
そして徐々に「個」の時代となり、銀座の文壇バー一極集中から各地の酒場へ分散してゆき、
さらには出版業界の衰亡に伴ってパイは収縮し、現在へ至る
…非常にきれいにまとまっていました。

虎は死して皮を残す。こんなカッコいい本をハートのある出版社から出す。
生きざまだと思いました。

関係ないですが、私は文壇バーと聞くと、分断バーに聞こえてしまい、
店内に板門店があるようなシュールなラウンジを思い浮かべてしまうのですが、
どろろの、ばんむんみたいのが店内にある)*1
まあそうじゃないですよね。で、しまいに、半分のままになって、
http://cdn.moae.jp/lineup_top/0001/27/thumb_26401_lineup_top_large.jpeg
http://morning.moae.jp/lineup/348
なぜかチャイナ・ミエヴィルが出てくるという…

都市と都市 (ハヤカワ文庫SF)

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そんなわけないない。以上
(2014/8/4)