『京都の中華』読了

京都の中華

京都の中華

アマゾンのレビューの、星の多いのにも、星の少ないのにも、
それぞれうなずける、そんな本でした。

確かに京都では、「中華料理」でなく「中国料理」の呼び名がポピュラーで、
冷やし中華」でなく「冷麺」ですね。
京都というか、関西の傾向かしれませんが。
コリアン系も中華系もどっちも冷麺だと紛らわしくないか、と、
外にいると思いますが、中ではそう思ったことがない。

焼き飯という呼称で言うと、チャーミングチャーハンというものを
前面に押している店がありましたが、載ってません。
私も一度くらいしか入ってないと思うので、よく覚えてません。

作者はハングル読みなのをいま奥付け見て気付きました。
京都在日の人は冠婚葬祭でかつては宴会場のある中華を使っていて、
オールドカマー同士の微妙な距離があったらしいのですが、
作者はそういうことを書くつもりはないと感じました。

京都なので、ニューカマーについて、
建物の水道代の登記が前の人のままなので変えないで水道代払ってないとうわさしたり、
この本に出てきませんが、四条大橋の洋館は、
日本のポツダム宣言受諾を国民より早く知った人たちが、
どうせ焼かれるからと底値になっていたのをうまくゲット出来たとか、
いろんなうわさばなしがあり、そんなもの一切書いてませんが、

頁一三
戦後の食糧難を経験した世代。当時は「中華なら食わせてくれる」と耳にして、中華料理店に働きに入った人も多かったそうだ

こういう、系譜のようなものを書こうとして、
当初のコンセプトのお店だけで最後まで押し切れなかったかなってな印象です。
どっとはらい