『ユリイカ2008年12月号 特集=母と娘の物語 母/娘という呪い』読了

読んだ、としか言えない感じです。
上野千鶴子の対談のところで編集者が、詩と批評のユリイカより、
かつて出版されていたイマーゴ、現代思想といった雑誌のほうがふさわしいテーマ、
と語っていたのが、本当にその通りと思いました。
言うまでもなく、『イグアナの娘』が契機となって、
少女漫画の根底を流れる母殺しの思想について、
皆が皆、感性の趣くまま書いていて、字を追うだけでせいいっぱいでした。
イグアナの娘 The Daugther of IGUANA DVD-BOX

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このあと、人生仮免中みたいな本も書かれるのか、とぼんやり思いましたが、
例えば、一卵性親子、みたいな関係については、書かれていたのかもしれませんが、
目につかなかったのが残念です。
結局、この問題は、女性にとってはあまりに自明のことであり、
それを男性の学者、例えば斎藤環が後から「発見」した、
アメリカ新大陸みたいなもんじゃなかろうか、と思いました。