『天国は水割りの味がする 東京スナック魅酒乱』読了

天国は水割りの味がする~東京スナック魅酒乱~ (読んどこ! books)

天国は水割りの味がする~東京スナック魅酒乱~ (読んどこ! books)

あまりの厚さに、一度読み切れず返却していたのですが、
懲りずにまた借りて、なんとか読み終えました。
その次の本である『東京スナック飲みある記 ママさんボトル入ります!』同様、
ウェブ連載からの紙版出版だそうです。

『東京スナック飲みある記 ママさんボトル入ります!』読書感想
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20140816/1408189799

作者のゲラ校正時のクセなのか、けっこう誤植が残ってます。
また、変わったフォントで半角カタカナが多いな〜、と思ったのですが、
ウェブ連載がベースと聞いて、納得しました。
イラストは小島功師匠のまぼろしママから取ってます。
ヒゲとボイン最後の何週間かの、ゲシュタルト崩壊のようなストーリーは鮮明で、
忘れようにも忘れられません。

各スナックのママさんやマスターの人間像、過去等をインタビューしまくった本です。
スナックでのあるべき立ち居振る舞いやカラオケのマナーなどは書いてありません。
そういうのは『浅草キッド玉ちゃんのスナック案内』で、ということかと。

浅草キッド玉ちゃんのスナック案内』読書感想
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20140713/1405232349

以下後報。
【後報】
「読んどこ!books」というシリーズ名は当時のWeb連載から付けられたようで、
アマゾンや楽天では出てくるけれど廣済堂公式*1では付いてないので、
ここでもタイトルから取りました。

誤植、付箋つけてたんですが、いざ見直すとどこだか分からず、
下記四か所だけ分かりました。読んだのは初版です。

頁36:発泡事件
頁113:ババッカス
頁246:酔っぱい
頁700:五決心

頁93で、長崎と五島列島について触れている箇所にニヤリとしました。

頁96
ママ ひとつだけ。自分のこと、九州男だと思ってたんじゃない?五島だけど(笑)。

頁137、ハードロックなのに音楽関係より出版や絵の人が来るという店の写真に、
若杉公徳と、たぶん山本英夫の色紙が見えました。納得。

頁230で、地方回りの歌手だったマスターが、よかった場所として北海道の白老を出していて、
知らない土地だったので、検索して、いいなと思いました。

Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E8%80%81%E7%94%BA
観光協会による観光案内
http://www.shiraoi.net/

頁243
都築 たとえば、どんなひどいこと言っちゃうんですか。
ママ ひどいことっていうか、普通のこというんですよ。酔っ払ってきたら「酔うな!」とか(笑)。お酒に吞まれるひとが、きらいなんですよ。いくら吞んでも、しっかりしてるひとが好きなんです。

いくら飲んでも、は無理だから、そこはセーブ出来るコントロール出来る人、
ということかと思いました。

頁270で、出禁にした客は来ないのかという問いに、
いや、来ますね。でも来ても、もうだめ。という回答に爆笑しました。

頁428で、「コンパ」という飲食店の形態があることを知りました。

これを読むと、スナックやってみたいなあ、という感じになりますが、
店を前やっててうまくいかなかった人の話なども見え隠れしますし、
不景気という言葉が大量に出てくるので、そこで冷静になれます。以上
(2014/9/30)