- 作者: レナータ・アドラー,高見安規子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1980/05
- メディア: ?
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エッセーで紹介してた本。
小説ということでしたが、
スケッチというか、散文です。
私も個人的にこういう
短文を書いて同人誌に
出したことがあり、好きですが、
他人に余韻を残すという点で、
このジャンルでは、山本周五郎の
『青べか物語』など、すごいのがあるので、
この作品は、うすいというか、
ドライだと思いました。
Speedboat (NYRB Classics) (English Edition)
- 作者: Renata Adler
- 出版社/メーカー: NYRB Classics
- 発売日: 2013/03/19
- メディア: Kindle版
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- 作者: 山本周五郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1964/08/12
- メディア: 文庫
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http://en.wikipedia.org/wiki/Renata_Adler
頁15 いま、ここでは…
朝は八時に起きる。この頃は、十一時前に一杯飲むことがとても多くなった。ある面で私は、人生の的を射損じたのだ。
頁69 静かに
私が働き始めたころ、彼は、私をアルコール中毒だと思った。彼はそのことを最終稿を書いている男に話し、その男がまた報道室のスタッフに話し、彼らがそれを文化部のスタッフに話した。アルコール中毒だと評判になるのは、それほど迷惑なことではない。が、できればそんな評判はたたない方がいい。彼が昼食を御一緒に、と言うので、喜んでお伴した。彼はスタンディッシュ・ホーソーン・スミスといい、両親はポーランド出身。私たちはギリシャ料理のレストランに行った。席に坐るなり彼は、私の手をとり、ウィルとは離婚したのかと尋ねた。どう答えてよいかわからないので、彼の仕事のことに話題を向けた。彼はただニタニタするだけだった。そして「何を飲む?」と訊いた。「何もいらないナッシング」と答えようとして、はっとした。ナッシングというのは、アルコール中毒者が囚人護送車の中で呼ばれる名称ではないか。それに、いつもの水割りでもまずいと思って、ウゾを注文した。アルコール中毒者がウゾとは、彼も驚いたことだろう。私は二杯飲んだ。
向こうのアル中は病院や施設でなく刑務所で自助グループにつながることが多いと、
かつてアメリカ人から聞いたことがありますが、そういうことなのかな、と思いました。
それほど迷惑なことではない、というのがあちらの社会の許容度なのか、理解度なのか…
全然どうでもいいことで、アルドゥ、という男性が登場しますが、
中国語の「耳朶」の発音に似てるので、中国系かと思いましたが、説明はありませんでした。
以上