『ビールの文化史〈1〉』 (春山行夫の博物誌)読了

ビールの文化史〈1〉 (春山行夫の博物誌)

ビールの文化史〈1〉 (春山行夫の博物誌)

『エヴリデイ・ドリンキング』*1訳注で紹介されてた本。
確かに博覧強記ですごい本です。
でも、出典、参考文献がないので、そこはよく分かりませんでした。

頁21

こんな壁画、どこにあっていまどこで見れるのさ、みたいな。

頁175

頁191


頁227

上巻はメソポタミア、エジプト、ギリシャローマ、中世ドイツ、中世イギリス迄です。
『ビールボーイズ』*2では掘り下げてなかったエジプトのビール事情が分かります。
あと、エールの国イギリスでホップが伸張していく攻防。
そのあたりが印象に残りました。
あと、頁129で、北原白秋が酔うと花瓶のカーネーションをむしゃむしゃ食べるところ。

それから、翻訳の二人称で、「おんみ」をよく使われてるんですが、
私は「御身」は目上への敬語だと思っていたのですが、
この本では必ずしも目上への敬語としてではなく、「なんじ」「そなた」のような…それだと目下か。
何と言うか、「おんみだいじ」の「おんみ」は対等の相手への言い方ですよね。
そういう使い方でした。
私の認識がヘンなのかな、と思って、少し検索したら、
下記の「おん目」を「おんみ」と空目ってました。

おん目の雫ぬぐはばや―鑑真和上新伝 (図説 中国文化百華)

おん目の雫ぬぐはばや―鑑真和上新伝 (図説 中国文化百華)

あと、おんみとおみをごっちゃにしてるようです。私は。
そもそもその二種類あるとは知りませんでした。

御身 コトバンク
https://kotobank.jp/word/%E5%BE%A1%E8%BA%AB-454425
【後報】
2巻のあとがき見ると、著者は、
アリストテレスの酔っ払いについての哲学的考察を紹介したことを誇りとしているみたいです。
確かにテーゼ反駁テーゼと続く、正統ロジック検証は面白かったです。
付け加えておかないと忘れますので、追記。
(2015/1/14)