『酒がSAKIと呼ばれる日―日本酒グローバル化宣言』 (酒文ライブラリー)読了

酒がSAKIと呼ばれる日―日本酒グローバル化宣言 (酒文ライブラリー)

酒がSAKIと呼ばれる日―日本酒グローバル化宣言 (酒文ライブラリー)

<著者一覧>
玉村豊男
麻井宇介
本間千枝子
吉田集而:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%89%E7%94%B0%E9%9B%86%E8%80%8C
       http://www.minpaku.ac.jp/research/activity/organization/staff/yoshidashuji/index
キャロライン・ベネット:http://trendy.nikkeibp.co.jp/lc/world/081119_london/index4.html
              http://www.moshimoshi.co.uk/
セーラ・マリ・カミングス:http://www.bunji.jp/
               http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%B9
               http://www.ntt-f.co.jp/fusion/no33/tokusyu/
末尾の人のWikipediaは、ひさびさに編集合戦のただなか、というか、履歴を見ると、
忘れた頃にちょろっと編集を仕掛ける、みたいなページでした。大変だ。

回転スシ世界一周 (知恵の森文庫)

回転スシ世界一周 (知恵の森文庫)

回転スシ世界一周 (酒文ライブラリー)

回転スシ世界一周 (酒文ライブラリー)

『回転シ世界一周』の続編みたいな本なんかな、と思いました。
回転シのほうは読んでませんが。
回転が前に付いたら、濁って「回転シ」と読むだろうに。
なぜ清音のまま、「回転シ」と読ませるのか。
キャロラインさんの店はkaiten-sushiですし、
日本語で単語を重ねた際に起こる濁音化/半濁音化はそれガイジンにはむっずかしいね。
エイゴのWikipedia見たら、回転寿司はConveyor belt sushiでした。
http://en.wikipedia.org/wiki/Conveyor_belt_sushi
http://ja.forvo.com/word/%E5%9B%9E%E8%BB%A2%E5%AF%BF%E5%8F%B8/
要するに鮨のようなグローバルな変容が日本酒にもおこらないかなあ、みたいな本です。
でもそのための具体的な策とか知恵は有料だろうから、勿論書かれていません。
コンサルはカネがかかる。魑魅魍魎も寄って来るし。
代りに、既にグローバル化した日本のカラオケとか茶道とか華道とか、
俳句とか盆栽とかインスタントラーメンとかについても触れています。
柔道がないのが残念。日本からJudo協会に理事やらなにやらも出せず出ず、
ルールがどんどん日本に不利に改悪されて、カラー道着に広告ワッペンのJudo。
そういえば、断酒の自助グループも、日本にはアメリカ発祥のものと、
日本起源のもの二つが共存併存していますが、
台湾のアメリカ発祥のものを漢字だけ見ると、日本発祥のにも見えたりします。
フツーの欧米人には分からない、漢字だけ見るとね。
アウターモンゴルのアメリカ発祥の団体は、日本経由で伝わったと聞きますし。

頁205 吉田集而
日本語が世界に普及していく過程で、聞くに耐えないような日本語が話されることがある。英語の普及はそういう過程を経て、あるいは経つつ広がっていったのである。梅棹忠夫氏はこの日本語を「おぞましき日本語」と表現した。同じことがサケにだって起こると想像される。「おぞましきサケ」の出現である。日本人はそれに耐えなければならない。それがサキの世界化の別の側面なのである。

梅棹先生の何という本にそんなエキセントリックな発言が収録されているのか、
ちょっと知りたいです。サケをサキと書いているのは、江戸時代とかに輸出された日本酒が、
tzaky、zaky、zaki、sakky、sakiと書かれていたからだそうです。
オランダ人が従事していたということですが、スペインポルトガルもあってもいいかも。
sakeも、セイクと読まれるのを怖れて、sakéと書いたり、sakêと書いたりすると、
本書にあります。で、本書は、saki表記を提唱する立場、です。
巻頭に、酒とアルコールの定義をまず置くなど、
酔っぱらいの座談会ばかりだった、酒文ライブラリー既読書とひと味もふた味も違いました。
宝酒造もバブルがはじけたのか。学術書みた〜い♪

頁77 Caroline Bennett
 正直言って、今でも私には純米酒吟醸酒といった違いがよく理解できないし、区別できないのです。ブルゴーニュボルドーの違いは分かると思うのですが。

私にはどちらも分かりません。そういう飲みかたは、よくないですね。以上