『ウスケボーイズ 日本ワインの革命児たち』読了

ウスケボーイズ 日本ワインの革命児たち

ウスケボーイズ 日本ワインの革命児たち

本書の存在自体はアマゾンの関連商品おすすめなどでかなり前から知っていたのですが、
レビューがまっぷたつだったこともあり、あと回しにしていました。
たまたま図書館の棚にあったので、いまがいい機会なのだろうと考え、読みました。
内容については、アマゾンとか、何故か項目があるWikipediaでも見たらいいさ、
と、思います。なんでウスケ最後のワイン会が藤沢だったんだろう。
麻井宇介さん自身のWikipediaの項目はなくなっているので、よく分かりません。

本書のWikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%82%BA_%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%81%AE%E9%9D%A9%E5%91%BD%E5%85%90%E3%81%9F%E3%81%A1

登場するボーイズはいずれも実名なのですが、上のWikipediaは頭文字しかありません。
なんか不思議でした。巻末に写真が載っているのですが、
いちばんヘンそうな人が、いちばんヘンそうな生活をしてヘンそうな造り方を試みていました。
ひとはみかけが99.9999%。うそです。
レビューのなかでいちばん印象に残ったのが、

著者と3人のワインメーカーとの距離感が妙に感じられる

という一文で、それもそうかなと思いました。
ワイナリーを始める前の配偶者と別れたボーイは、ワイナリーでの生き方に共感した、
援農住み込み脱都会みたいな新たなパートナーを見つけており、私の親戚もそうです。
でもこれは農村部大多数の嫁不足の福音には全くならない話であります。
フツーの農家とかけ離れた生活ですし、だいいちコブつきでない。舅姑とかない。

作者の文体についてアマゾンではいろいろレビューがありましたが、
「狂い」「狂気」「気がふれる」など表現が天然で、それはそれでよいと思いました。
フルボディって感じ。第六章がレルビーですが、いまならレリゴーだろうな。
平井和正もお亡くなりになったし、もっと言霊使いみたいな書き手がいていい。

目次
プロローグ 父の遺言
第一章 六畳間のワイン狂い
第二章 日本では無理だ
第三章 畑の修道士
第四章 宿命的風土論に呪縛された歴史
第五章 ワインと恋と狂気
第六章 LET IT BE
エピローグ 父を越える息子たち

2006年に日本ワイナリー自主基準が変わって輸入原料を使った場合には、
量の多い順にラベルに記載しなければいけなくなったとか、
2010年十月時点で、日本ワイナリー協会正会員36社準会員4社で、
日本の稼働ワイナリーはおよそ160社。ジエチレングリコール絡みの記述にありましたが、
罰則もなければ属していなければ配慮する必要もない、という記述はよかったです。
玉村豊男の本に出てくる葡萄作りの方法より、より大変そうでした。

あとがき
「日本のワインの造り手全員がウスケボーイズなんだと思います」

どこをどうとったらこんな玉虫色で、とってつけたように安西先生のように
麻井先生が出てこれるのか、さっぱりぱりぱりの本でしたが、
別にそれでレリゴーだと思いました。
まったく偶然ですが、下の本の作者のひとりのWikipediaで大混乱ということになってる、
小布施でワイナリーを営むボーイズがひとりいるのも印象に残りました。どっとはらい