『面会酒舌』読了

http://www.yomitaya.co.jp/photo_of_books/95754.jpg*1
神奈川県の図書館に
所蔵ナシとの
リクエスト結果を受けて、
国会図書館で閲覧とか
めんどいと思って、
日本の古本屋で探して
購入した本です。
(URLとは別の、神保町の店)

最近の古書店は、
ネット時代の勝手の違う
ユーザーの攻撃のせいか、
黄ばみや汚れをこまかく
ご注進してくれて、
大変すぎる仕事と思いました。
そんなの、古書好きやったら、
分かってるて、
大丈夫やって、てとこまで、
メールで連絡してくれはる。
気をツカワナイデクラサ〜イ。

で、昨夏作家ゆかりの町田市図書館には当然所蔵があったのですが、
この春館内整理かなんかで所蔵検索が出来なかったので、それが分からず、
まあしょうがないです。町田は神奈川ですが、便宜上
ほかの神奈川の市町村図書館と相互貸借出来ないので、
どのみち閲覧しか出来なかったし。買って悔いなし。

石川桂郎 Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%B3%E5%B7%9D%E6%A1%82%E9%83%8E

私が読むくらいだからお酒にアレな人ですが、死因はガンです。
この人の短編は、『名短篇ほりだしもの』*2で読みました。

鶴川の人なんですが、同じ鶴川の白洲正子とは、お互いの本で全然触れてないです。
次郎は、この本で一ヶ所だけ出てきますが、誰それはおない年、という記述だけ。
交流なかったんだな、と思いました。俳人と古美術収集家なのに、レイヤーが違った。
柿生の河上徹太郎はどちらの本にも出てくるので、彼が触媒になるかというと、
触媒になるような人でもなかったのでしょう。吉田ケニチ先生の随筆にも、
河上徹太郎はひんぱんに登場しますが、正子もケイロウも出ない。
文壇交遊録は、地理的な近い遠いとは関係あらへんねほんま。みたいな。

この本に収められた句で、いちばん良かったのは下記です。

頁51
陳氏来て家去れというクリスマス
西東三鬼

この本は、ケイロウがいろんな俳人についてよもやま話をする本です。
久保田万太郎のところに、

頁194
「酒、やめなさんな。耕一は、あいつ酒をタバコをやめたら死んじゃった……」

という、たぶんご子息の死の場面がありますが、詳細は分からねど、
地獄への道は善意で舗装されている
とまたまた思いました。以上