『変死するアメリカ作家たち』読了

変死するアメリカ作家たち

変死するアメリカ作家たち

映画も観た*1ので、少し「ツボちゃん」の本を読もうかと思って、テキトーに借りました。
初出が巻末や目次にないので不思議だなと思っていたら、
最後の話(おそらく書き下ろし)にそれまでの各話の初出と執筆意図が書かれていて、
そういうクセのある構造構成を楽しんでやったんだな、だから編集あがりは…
と思いました。その割に頁99で、幕切れ裏切れと一ヶ所誤植見逃しのままです。
ヘミングウェイフィッツジェラルドアンブローズ・ビアスのような有名どころ以外の、
マイナーというか、一発屋の作家にも、当然変死夭折した作家詩人は多くいるわけで、
西村賢太藤澤清造の没後弟子を名乗るのと似て非なる立ち位置から、
彼等の肖像(と書いて作者はポルトとルビを振る)を描き出した文芸評論集です。
私が予想出来るくらいだから誰もがそう予想するのでしょうが、
アルコール由来の死亡率高し、でした。そうでなければスリク由来。
孤独な娘 (岩波文庫)

孤独な娘 (岩波文庫)

頁97
 ウエストの作品の主人公たちに共通する精神的病いをひとくくりにして「ウエスト病」と名付けた人がいる。詩人のW・H・オーデンである。『染物屋の手』に収められたエッセイの中でオーデンは、こう書いている。
  ウエスト病患者は利己的ではなくて、絶対的に自己中心的なのである。利己的な人間とは、他人の犠牲において自己の欲望を満足させる人である。しかし自己中心的な人間にとっては、他人はただ、現在の自分の生き写しか、現在の自分でないものの生き写しとして存在しているにすぎない。他人に対する彼の感情は、自分自身に対して彼が感じる憐憫あるいは憎悪の投影である。(中桐雅夫訳)

うまいこと言うな、と思いました。一人遊びの代表格、お人形さんを動かして、
一人何役も演じるあの遊びみたいな。
全然関係ないが、男は自助グループで恥をかくと二度とそこに顔を出せないが、
女性は一定期間過ぎるとけろっとした顔でまた来てさめざめ泣いて浄化することが出来る、
という話を思い出しました。本当にそうなのか知りません。でもそんな気は、確かにする。
【後報】
上記自助グループの話、反論がありました。音波でw
色恋沙汰の場合、男は顔を出せなくなるが、女はラヴイズオーヴァー之後、
けろっと顔を出してさめざめ、ということだそうです。そうなのかな。
(同日)
【後報】
いちおう本書で紹介されてる作家
Delmore Schwartz:http://en.wikipedia.org/wiki/Delmore_Schwartz

In Dreams Begin Responsibilities and Other Stories (New Directions Paperbook)

In Dreams Begin Responsibilities and Other Stories (New Directions Paperbook)

Schwartz was unable to repeat or build on his early successes later in life as a result of alcoholism and mental illness, and his last years were spent in reclusion at the Columbia Hotel in New York City. In fact, Schwartz was so isolated from the rest of the world that when he died on July 11, 1966, at age 52, of a heart attack, two days passed before his body was identified at the morgue

Harry Crosby:http://en.wikipedia.org/wiki/Harry_Crosby
http://en.wikipedia.org/wiki/Harry_Crosby#Murder_and_suicide

Nathanael West:http://en.wikipedia.org/wiki/Nathanael_West
http://en.wikipedia.org/wiki/Nathanael_West#Death

Ross Lockridge, Jr.:http://en.wikipedia.org/wiki/Ross_Lockridge,_Jr.

Suffering from severe depression, Lockridge committed suicide by carbon monoxide poisoning shortly after the novel's publication. His grave is in Rose Hill Cemetery in Bloomington.

Weldon Kees:http://en.wikipedia.org/wiki/Weldon_Kees

On July 19, 1955, Kees's car was found deserted on the Marin County side of the Golden Gate Bridge.

(同日)