岩波書店の紹介文
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日清戦争後の資本主義の発展とともに急速に寄生的ブルジョアジーが成長した日本社会.そこに生きる政治家,官僚,実業家,宗教家,教育家から新聞記者や出版屋にいたるまでの各階層の腐敗堕落の種々相を諷刺的にスケッチした中・短篇集.さながら,文芸批評の先駆者魯庵の手になる明治社会の一大滑稽絵巻といえよう.解説=猪野謙二,内田巌
- 作者: 内田魯庵
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1953/02/25
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- 作者: 内田魯庵
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1954/09/25
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正直、何をそんなホメてたのか、忘れました。
中江兆民の『三酔人經綸問答』みたいな感じの、
しかし啓蒙ではなく経済小説としての作品が並んでいました。
『三酔人〜』は、なぜ島田虔次先生が口語訳されたのか、
それが不思議で、京大人文研の人に聞いてみたら、
「豪傑くんが好きだからなんじゃないか」といい加減にあしらわれ、
今でも不思議です。あとは後報で。
- 作者: 中江兆民,桑原武夫,島田虔次
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1965/03/16
- メディア: 文庫
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<今と読み方が違う単語>
上巻頁47 ヂスレリイ ディズレーリ
上巻頁53 ドヾのつまり とどのつまり
上巻頁146 テエター テアトル、シアター
下巻頁106 ザール ツァーリ ドイツ語読みしてたんですね。
下巻頁175 ヰオリン ヴァイオリン
<意味の分からない単語>
上巻頁53 デシマルに有付いた 十進法にありつくわけでないと思うので。
上巻頁217他 廢娼禁酒 このふたつが同列に扱われていたとは。
あと、ルビが振ってなくて、分からずそのままの単語もたくさんありましたが、
メモってなくて忘れました。
<今と表記法が違うんだな、という単語 意味は分かったが、使わないな、という単語>
上巻頁94他 么麼だ子 どうだね
上巻頁94他 這般な こんな
上巻頁193 東洋髭 マンダリン・マスターシ
上巻頁192 アイス 高利貸
上巻頁251他 眞箇 ほんとう
下巻頁38他 厶いませうか ございましょうか
下巻頁39他 爾んな そんな
頁100
清商張才鵬氏亦来る。張氏は廣東の人、善く談ず。曰く日本名士皆ペケです、政治家學者紳士皆蛭關侯爵に頭上がりません。蛭關侯爵コスイーヒト公使に頭上がりません、支那日本人駄目です、東洋問題日本人ポカポンポンと。
ペケは不可の中文読みから来ているわけですが、
不可の発音 Forvo
http://ja.forvo.com/word/%E4%B8%8D%E5%8F%AF/#ja
誰も解説しないのですが、ハワイ語で中国人のことを、パーケーと呼びます。
客家のなまりという気もするので、よく分かりません。
ハワイは、日本のラーメンそっくりのチャイニーズヌードルがサイミンと呼ばれていたり、
チャイナマンズハットという岬があったり、いろいろです。
頁216「臺灣土産」
『日本ジップン本是プッシー サアツラートエ、再来コーライ臺灣盗タウ リアー鷄グエ、臺灣[女査]媒ツアポー サムカールー、サムカア三囘サンパイ イーチヱーソエ』
台湾に、食い詰め人のたちのよくないばかり流れて困るという箇所です。
下巻に収められている「電影」という話は、朝鮮帰りの大陸浪人の話ですが、
寄宿してタダ酒ばかり飲んでいた彼が禁酒を志し、
一日はもったが二日持たなかったくだりが、暗示的でした。
明治だから、禁断症状が出ても、無職者が酒入手出来はしないですが、
この小説では、大陸ゴロの彼を居候させてる政治家がイネーブラーです。
(2015/6/9)