『「五つの鐘と貝殻骨」亭の奇縁』 (文春文庫)読了

「五つの鐘と貝殻骨」亭の奇縁 (文春文庫―警視リチャード・ジュリー)

「五つの鐘と貝殻骨」亭の奇縁 (文春文庫―警視リチャード・ジュリー)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%82%BA
変わった名前のパブの推理小説シリーズ。
今までより、というかこの作品の前の何作かより、かなり推理小説っぽいです。
"Bladebone"が、訳すと「貝殻骨」になるとは…まるでイメージが変わるので、
翻訳とはまことに大変な仕事だと思いました。
表紙はお馴染み和田誠。最初に、古い遊戯の歌が紹介されてますが、
フツーにマザー・グースと書いてはいけないのだろうか、と思いました。

オレンジとレモン Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%81%A8%E3%83%AC%E3%83%A2%E3%83%B3

Wikipediaにある、ポーの一族でこの歌を知ってはいたのですが(ピカデリー7時)、
こうやって遊ぶとか、メロディまでは、今検索するまで知りませんでした。

第一部から第四部までの構成なのですが、第四部は数ページのみのエピローグで、
各部の量が均等でないので、読んでいて幻惑されます。

頁243
 以前はイッチイ・パーク(疥癬公園)と呼ばれ、たぶんいまでも一部ではその名前で通っているものについての話が出るとともに、ジュリーはウィギンズがキャスのそばからあとずさりするのに気がついた。そこはクライストチャーチに隣接する緑地公園だが、テント代わりの古新聞の下にもぐりこみ、眠りこけているあいだの用心に茶色い紙袋にくるんだ酒壜をしっかりかかえて眠る浮浪者たちの、大の気に入りの場所になっているのだ。

頁414
「極上の豚の丸焼きでございます」
ジャーヴィスの店の?」
「はい、さようで。ジャーヴィスの店はこのあたりで最上の肉を置いておりますな。それに値段も手ごろです。よけいなことを申すようですが」
 メルローズは思案した。「では、仔豚の口のリンゴを取って、かわりに“お買い得、七十九ペンス”と書いた札を置いておくとするか。

ブタの口のリンゴ*1は、ムーミンのマンガで見ました。
北欧の話かと思ったら、イギリスでもやるんですね。
禁断の実(智惠の実)を食べたアダムとイブでしょうか。
検索したけど分かりませんでした。以上
【後報】

The Five Bells and Bladebone (Richard Jury Mystery)

The Five Bells and Bladebone (Richard Jury Mystery)

(2016/2/11)