ビッグコミックオリジナル増刊戦後70周年増刊号(2015年8月号)読了

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セブンネット
http://www.7netshopping.jp/magazine/detail/-/accd/1201556159/subno/1/pg_from/rcmd_detail
公式
http://big-3.jp/bigoriginal/sengo70/index.html

セブンアンドアイが、トーハンだったか凸版だったかだと思ったのですが…
アマゾンはマンガ雑誌直売りしないですよね、確か。

昨日出たオリジナルに広告が出ていたのですが、すべての作家が載ってるわけでなく、
それで検索したら、花輪和一の『小日本鬼子穴』というタイトルが目について、それで。

頁375 編集後記 編集長
 結果、収録した作品は全て、戦争のグロテスクで愚かでヒロイックな姿をそれぞれのアプローチで表現したものとなりました。

再録が多いのですが、よく集めたな、と。花輪和一は流石の新作でした。
マンガというメディアもいい加減歴史が長いですから、
博覧強記のアンサイクロペディアが編集とか下請けとかにごろごろいるんでしょうね。

松本零士の戦場まんがシリーズの最初がコレとは知りませんでした。
それだけで買った甲斐があった。B5判型で読めたので。
読んでた頃は、左から戦争翼賛だなんて叩かれてたとは知りませんでしたが、
この第一作だと、まだガイドラインを模索して手探りで書いてる感じですね。

光る風は季語ですが、ゴチエイの解説は編集者が煽るほど「詳細」ではないかも、と。

浅野いにおは色眼鏡を嫌った跡があり、だから「蟹派」という単語は、
和蟹や草泥馬とは関係がないと思いました。
あと、デモなどは、現場からの画像素材が氾濫してる時代なので、
臨場感溢れる絵を、みんな描けるんじゃないかと思いました。見ませんけれど。

さそうあきらは、お互い大家族という設定自体がファンタジーなので、
在日家庭に行っても三世四世でそうそうあちらの家庭料理があるだろかと…

石坂啓は、こういうメタファーが好きな人は永遠に好きなのだろうと思いました。

滝田ゆう横尾忠則は、グラマンの機銃掃射体験を描いていて、
佐藤さとるのコロボックルの一巻で、米軍との鬼ごっことして出てくるアレですが、
(鬼につかまるともう此の世にいない)

これに関しては、ほんと匿名時代のネットで、ある國士サマが、
戦争終盤に至っても、日本近海に米軍空母は遊弋してなかった、なので、
航続距離の点から、艦載機が直接日本本土を空襲出来たはずがない、
すべてブサヨのねつ造である、と得意満面に書き込んでいたのがあまりにカンに触り、
なんのために米軍が硫黄島を落としたのか知らんのか、
高高空爆撃とはいえ、サイパンから護衛なしで飛来するぶん、
B-29の損耗率もけして低くなかった、護衛の戦闘機離発着のため、
米軍は硫黄島を落とす必要があったんじゃないか!
と書いたら、あっというまに相手が遁走した思い出が何度でも蘇ります。

で、花輪和一ですが、“哪怕养老没人管 也要占领富士山”って標語、
なんかヘンだと思ったのですがうまく言えません。感覚的なものなので…
いま書き写してて、「領」が簡体字になってないのは分かりました。

頁371
いよいよ来週からね
チベット独立十周年記念天安門広場祝賀盆踊り大会」は

頁372
天安門が日本のものになって、本当によかった。

交通安全火の用心と書かれて日の丸が翻る天安門広場のコマが紹介できないのは残念です。
頁369のパクリ云々はまあ、ニヤリですが、頁366の大阪城中国共産党指導本部
(西日本はすべて中国領土になっている設定)が、
長春の旧関東軍司令部をそのまま使用した吉林省共産党本部のさらにパロディになっていて、
よかったです。(中国本土十三省はすべて日本領土に)

頁374
シルクロードをツーリングでドイツのザールブリュッケンまで行けちゃうと思うと、ワクワクするわね。
国境が地続きだと、オーラが広がるね。
なんで中国人が「小日本」て言ってたかやっとわかった。これだったんだ。

マンガだからこんなんでいいんだと思います。あまり傷つけなければ。以上
【後報】
あと、いましろたかしですが、戦争のマンガというよりは、
まだ感想をちゃんと書けてない『寺院消滅』*1の問題提起、
地元に帰ってもたつきの道はないが、都会にも限界感閉塞感があり、
地元の墓守どうするか、都会に墓買っても誰が守りをするのか、
というテーマなのではないかと思いました。(同日)