- 作者: 山口治子,中島茂信
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kindle版の表紙には帯がついてて、紙版は下まで表紙写真ですね。
山口瞳の奥さんが山口瞳の死去後なれそめからを聞き書きで語った本。
鎌倉アカデミアで戦後すぐの時期に十代で知り合ったとのこと。
頁24
岩の壁に釘打ちこみて数々の札かかげたり洞窟弁天トロッコの坂にかかれば押しゐたる抗夫四人はすばやく乗りぬ
目で見たものを無駄なく簡潔に歌に出来る人なので、
理系に進んでもよかったんじゃないかと思いました。
初めて会った時から「いいな」と思っていたそうですが(もう一人いましたが)、
女の子の自宅に泊まりに来て婚前交渉して帰るとか、向島の下町の狭い家で、
親きょうだいも同居してる状態で、よくやるなと思いました。
それだけ若き日の山口瞳のリビドーは抑えられなかったのかと。
頁65
瞳さんは極度に不器用な人でした。銭湯に行くと、ロッカーの鍵を手首に巻き付けて入浴します。ところが、瞳さんはその鍵を湯舟の中に落としてしまいます。それが頻繁にあるものだから、とうとう銭湯に行くのが怖くなってしまうほど不器用な人でした。
上記は料理を作らない夫の場面での妻の繰り言。野球が好きなスポーツマン、
ということですが、昔の野球は今ほど約束事決め事が多くなかったのかな、
と思いました。(小学校ではやってたのに中学校では野球やらず、
戦争のあと、鎌倉アカデミアのゼミ野球みたいので復帰したそうですが)
賭け事が得意、というのは、両親の描写、特に母親のところで、
少し分かる気がしました。しかし、ほかの兄弟は、そうでもないという…
服に関しては、天パの髪の毛が2323してる頃から、実は変わってない、
シャツにタイをする、トレンチ、銀座の行きつけの店でしか買わない、
というのが、写真でよく分かりました。サントリーに勤めてからハゲはじめ、
そこから、イラストでお馴染みの顔になるのだなと分かる。
しかし、全部金歯、の歯を見せる写真、口を開けた写真は一枚もなく、
また、トレードマークの太い黒縁眼鏡ですが、外すとかなりけわしい、
ケンのある鋭い目なので、眼鏡は戦術だと思うのですが、
メガネについての記述は、なかった気がします。全金歯の写真見たかった。
『人殺し』は知らなかったので、そのあたりの事情は、何も言えないと思いましたが、
ただ、なんでクルマの免許取らなかったのか、そのあたり、書いてないのか、
読み飛ばして覚えてないのか、交通費がバカにならないのにじっと我慢した、
のくだりで、欠落を感じました。
後半奥さんの人の父母について語られ、父親が家と外で性格が違うとか、
母親は関西出身で東京の下町、向島でその父と暮らしているとか、
すべてイモづる式で、山口家だけが濃いわけでもないと思いました。
頁213
山口の家に嫁いだ頃、母にアクセントを注意されたことがあります。私の母が大阪生まれなので、「坂」や「あご」といった言葉の発音が標準語と違っていると指摘されたのです。また、ガ行の発音が汚いとも言われ、鼻濁音で発音するように直されたこともあります。
江分利を書いたあと、その父親の書きぶりに、山口瞳は姉妹から総スカンだった、
とのことですが、しょうがないですね。書きたかったんでしょうし。
血族は読むかもしれないけれど、『人殺し』は、読みません。以上