『四十八歳の抵抗』 (新潮文庫)読了

四十八歳の抵抗 (新潮文庫)

四十八歳の抵抗 (新潮文庫)

昭和三十三年初版ですが、平成二十年の五十五刷改版を借りました。
字が大きくて読みやすい21世紀の文庫本です。
解説もさいしょの久保田正文に加え、21世紀は北上次郎が書いてます。

久保田正文 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%85%E4%BF%9D%E7%94%B0%E6%AD%A3%E6%96%87
北上次郎で検索すると出てくる目黒考二 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%AE%E9%BB%92%E8%80%83%E4%BA%8C

石川達三は、ウーソンクリークのしとと混同してましたが、
生きてゐる兵隊のほうのしとだった。

石川達三 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%B3%E5%B7%9D%E9%81%94%E4%B8%89

ブラジル移民の話を読んで日記に感想を書いたこともあったかと*1
この小説も洋酒天国とその時代で紹介してたのかなあ。覚えてません。
ファウストを下敷きにしたとかそういう流れの紹介だったかと思います。
確かに、パタリロ!トーマの心臓のパロディをやった時みたいに、
主人公のことをなんでも知ってる謎の富豪サラリーマンの部下が登場するので、
不惑小説がそこだけ幻想小説みたいになっています。

四十八歳なんて、21世紀じゃ嘴の黄色いヒヨッコ扱いされることもあろうかという、
高齢化社会がいまですので、目黒先生のように、
今も昔も変わらない、男という哀しい生き物」はそりゃそうかもしれませんが、
周囲の環境が大きく変化してますので、バイアグラとか、援助交際とか、
男性週刊誌の高齢セクロス記事に嘔吐寸前の群ようこの抵抗のほうが、
真に迫っているともいえます。

よれよれ肉体百科

よれよれ肉体百科

この小説のクライマックスは、温泉ホテルで一室をとりながら必死に抵抗されて、
何も出来ずに終わるくだりですが、21世紀では、その報酬として、
後日訴えられる(か強請られる)のではないかと思います。

しかし、なんでこの小説を読もうと思ったのかなあ。全然です。以上