- 作者: 山口瞳
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1968
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と、挙げていて、それで読んだ本。
同名書が多々あって*2、舞台の国立市の検索結果が、
「こくりつ」ばかりなことへの、メタファーかと勘繰りました。
頁162
「おれ、競馬は駄目なんだ」
「どうして?」
「ときどき行くけど、わかんないんだな」
「わたしだって、わからない」
「競輪ならすこしはわかるけれど、競馬は名前がおぼえられないのよ」
「ネヴァービートとかゲイタイムとか」
「そうよう。だもんで、おれ、いつも新聞買わないの」
「それで、どうするの」
「売場のそばとか曳き馬のところへ行くと、誰かが何か言ってるでしょう。ナニがどうかアレがいいとか」
「………」
「そいでもって、それを買うんですよ」
わたしは、森本が、人ごみのなかに頭をつっこんで聞き耳を立てている光景を想像した。
「競輪みたいに漢字のほうがいいの」
「競馬はカタカナばかりでしょう。横文字とカタカナは駄目」
だまっていた河居が急に笑った。
私はこれと同じ買い方です。もうずいぶん買いませんが。
頁71の、狐が出てくる場所というのに行ってみたいです。
原田重久『国立風土記』に多くの考証を負っているとの一文があり、
こんど、狐が出てくる場所がどこか、くにたちの郷土文化館にでも、
訊いてみようと思います。それくらいかなあ。以上
*1:読書感想 http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20150918/1442577231
*2: