電車は人生を乗せている。今日も、まっすぐ前進してゆく。 人のために、ひとつひとつ。


東急田園都市線

料理人だった父は、出かけに包みを持たせてくれた。
私は太田駅で働き、ホームで安全確認を行っている。
この駅は、ホームから改札口が見えない。
乗るだろうお客さまがいないか、合図で連携する。
声のバトンをうけとって電車が滑り出した。
窓越しに、さまざまな人の表情が見える。
私はこの景色が好きだ。
テールランプが小さくなって消えた。
包みには、父の手づくり弁当。
寒い日でも不思議だな、温かく感じる。

父息子の家庭なんですね。たぶん。最後の一行がな〜、なんとかならないか。