- 作者: 鏑木清方
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 1977/01/10
- メディア: 文庫
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どういう文脈で紹介してたか、忘れました。
泉鏡花の挿絵描いたりしてた人なんですね。
作者記念美術館
http://kamakura-arts.or.jp/kaburaki/index.html
いつか上記にも行ってみたいです。
「少ない」を、作者は「尠い」と書くんですね。小言と書いて「カス」と読ませたり。(頁143)
頁218
戦争が始まって程なく、葉山の御用邸に御滞在中の皇后陛下の暁の御夢に、維新の志士坂本竜馬が、渚に伏して拝謁し、誓って国の危難を守ると言上したと云う伝説が世上に流布された。
大正以降の時代詳細については、続巻*2ご参照ください、みたいです。
この本は、明治に詳しい。
頁76
当時ではその後のように不良と云われる学生が、たんとはいなかったと思われるけれど、衆道の沙汰は今より多く行われた。下級生は上級生の薩摩隼人を見たら先ず一応は警戒するのが常識になっていた。後に美術学校の日本画にはいった九州生まれのTと云うのは、私の級のYを念友に持って、何処へ行くにも常に傍へ引きつけて、同じような夥伴なかまと隊を組んでは誇らし気に小川町の通を練り歩いていた。ある日の放課後にYが私の傍に来て、Tが君を誘って来いと云ったと耳語する。薄々噂には聞いていたが、直接我が身にふりかかって来たと知れば気味のいいことではない。取り合わないことにして一時は切り抜けたが、そのうち私は放課後を、神田東紺屋町の水野年方先生のところへ廻って画を習うことになったので、その隣町になる南乗物町から通って来る高松と云う友人に事情を明かして、連れ立って帰るようにした。
なぜこの頁に付箋を貼ったかも不明。以上
*1:読書感想 http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20151107/1446900783
*2: