- 作者: モーム,行方昭夫
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2011/07/16
- メディア: 文庫
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タイトルにビールとあるから借りた本ですが、モームは、
月と六ペンスを、何度も開いてはその後記憶がない作家です。
こういう話を書く人なのか。原題は"CAKES AND ALE"
エールだから、ビールじゃないですね。
カバー中野達彦。エドワード七世時代サイクリングに興ずる若者の写真だとか。
- 作者: W. Somerset Maugham
- 出版社/メーカー: Vintage Classics
- 発売日: 2000/05/30
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サマセットという名前がよかったんだと思います。日の名残り、夏の夕暮れみたいな。
実はこの人の苗字"Maugham"はモーガムと読む、とかそういうことないかと思いましたが、
検索結果はすべて「モーム」でした。残念。
http://ja.forvo.com/word/somerset_maugham/#en
http://ja.forvo.com/word/william_somerset_maugham/#en
http://ja.forvo.com/word/w._somerset_maugham/#en
http://ja.forvo.com/word/maugham/#en
頁72
「あの老人がグリーンピースをフォークに載せて食べるとまでは期待しなかったでしょう?」僕が言った。
「そうやってくれれば、よかったな。一寸した眺めだったでしょうね」スキャリオン卿が言った。
「ナイフでフォークに載せるって、とっても難しいのです。私もやってみたのですが、すぐ落ちてしまいますよ」公爵夫人が言った。
「フォークの先で突き刺せばいいのです」スキャリオン卿が言った。
「そんなの駄目よ。フォークの裏側に載せるのだけど、豆は転がるのね」
のんびりした、とぼけた小説だよ、と思いました。
それはナメカタ訳のチカラも預かってるのかも、と思いました。
行方昭夫 Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A1%8C%E6%96%B9%E6%98%AD%E5%A4%AB
頁41
(前略)だが、常に彼の作品すべてにあると認めねばならない特質がある。それは美だ」
「ほー?」僕が言った。
「いちばん大事なのは、美が充満していないページを一ページも書かなかったということだ」
「ほー?」
頁193ご嘉納という言い回し知りませんでした。
嘉納 コトバンク
https://kotobank.jp/word/%E5%98%89%E7%B4%8D-465471
頁116など、歌の動画を探しましたが、エイゴタイトルが分からず、
挫折しました。いろんな歌がありますが、ホントにある歌なのかな。
作家の人名がやたら出てくるのですが、どれが実在でどれがフィクションか、
最後までさっぱりでした。ただ、本作唯一の濡場で、いよいよという時、
突然イーヴリン・ウォーが登場するのが、滅茶苦茶バカだと思いました。
頁86
「ドリッフィールドの奥さんは結婚前はロウジー・ギャンっていう名前だったのか。で、どこのギャンなの?」
ギャンという苗字はブラックスタブルでは一番ありふれたものだった。教会の墓地はその名前の墓石でいっぱいだった。
ギャンなんて、ガーナの代表としか思ってませんでしたが、
イギリスの姓なんですね。知らなかった。
アサモア・ギャン Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B5%E3%83%A2%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%82%AE%E3%83%A3%E3%83%B3
終盤子どものエピソードは、女性のほうが悲嘆にくれて、
旦那はケロッとしてて、それが齟齬ということですが、
逆もあるんじゃないかと思います。
以上