『「レインボウズ・エンド」亭の大いなる幻影―警視リチャード・ジュリー』 (文春文庫)読了

「レインボウズ・エンド」亭の大いなる幻影―警視リチャード・ジュリー (文春文庫)

「レインボウズ・エンド」亭の大いなる幻影―警視リチャード・ジュリー (文春文庫)

Rainbow's End: A Richard Jury Mystery

Rainbow's End: A Richard Jury Mystery

表紙は一貫して和田誠。これでシリーズ邦訳すべて読了。

『「禍いの荷を負う男」亭の殺人』 (文春文庫)読了
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20141214/1418541708
『「化かされた古狐」亭の憂鬱』 (文春文庫)読了
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20150107/1420635711
『「鎮痛磁気ネックレス」亭の明察』 (文春文庫) 読了
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20150116/1421408647
『「酔いどれ家鴨」亭のかくも長き煩悶』 (文春文庫)読了
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20150216/1424090221
『「エルサレム」亭の静かな対決』 (文春文庫)読了
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20150226/1424969965
『「悶える者を救え」亭の復讐』 (文春文庫)読了
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20150407/1428422425
『「跳ね鹿」亭のひそかな誘惑』 (文春文庫)読了
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20150505/1430830026
『「独り残った先駆け馬丁」亭の密会』(文春文庫)読了
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20150516/1431793070
『「五つの鐘と貝殻骨」亭の奇縁』 (文春文庫)読了
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20150618/1434642192
『「古き沈黙」亭のさても面妖―警視リチャード・ジュリー』 (文春文庫)読了
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20150730/1438260391
『「老いぼれ腰抜け」亭の純情』(文春文庫)読了
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20151112/1447337061
『「乗ってきた馬」亭の再会―警視リチャード・ジュリー』 (文春文庫)読了
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20160211/1455183010

作者Wikipediaによると、このシリーズは以降下記があり、すべて邦訳未訳。

14 The Case Has Altered 1997年 未訳
15 The Stargazey 1998年 未訳
16 The Lamorna Wink 1999年 未訳
17 The Blue Last 2001年 未訳
18 The Grave Maurice 2002年 未訳
19 The Winds of Change 2004年 未訳
20 The Old Wine Shades 2006年 未訳
21 Dust 2007年 未訳
22 The Black Cat 2010年 未訳
23 Vertigo 42 2014年 未訳

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%82%BA
なぜこのシリーズの続巻が邦訳されなくなったのか、分かりません。
一冊当たりの分量が多くなって採算ベースに乗らなくなったのか
(今回は訳者あとがき入れて頁666で定価905円+税)
過去の登場人物再登場が増加し、覚えてないとついていけなくなってるからか
(レガシー。この巻で、鎮痛磁気ネックレス亭閉店が分かる)
今後思わぬ展開をする?のか、など、どうなのかなあと思います。

今回は前回に続きアメリカが重要な舞台ですが、前回がボルティモアで、
英国趣味を満たす場所だったのに対し、今回は宮沢りえでお馴染みサンタフェ
こんな寒い場所なんですね。ニューメキシコったら暑いかと思った。

頁589
デスは言った。「あの人の言うとおりよ。あたしもAAに友だちがいるんです。禁酒ということがどれだけ人と人を固く結びつけるかということはほんとにふしぎね。それは禁煙も同じだと思うわ」

今回は、禁煙がかなりキーワードなのですが、そこで禁酒が出てくるとは思いませんでした。
アルコール中毒についてほかにも言及した箇所があり、作者はアメリカ人だから、
当然それなりで、しかし今までは出さなかったのが、出し始めてる気がしました。
なんでだろう?それで路線変換とかして、
それで続巻翻訳がアレなわけではないでしょうけれど…
下記の、チベットを舞台にした、政治犯漢人が探偵役を務めるミステリーシリーズも、
続刊が邦訳されてないのですが、続刊の内容が、
チベット人アメリカ先住民の近縁性を追ってみたりなので、
諸般の事情があるのかなど思ったことを思い出します。全然関係ないですが。

『頭蓋骨のマントラ』読了
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20121112/1352731547
シルクロードの鬼神』〈上〉〈下〉 (ハヤカワ・ミステリ文庫)読了
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20121208/1354900522
『霊峰の血』(上)(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)読了
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20121225/1356437948

私が読書中付箋をつけてた個所は下記と、あと、福祉の集合住宅の近くのこじゃれたカフェと、
パキスタン人や黒人の車ばかり狙う車泥棒の個所。理由は分かる気もするし、
別に付箋をつけるほどのこともなかったかなと思ったりもします。
頁163「たしか“スープ”って言ったっけね。彼女はきみに――いいかい、よく考えてくれ――彼女はとても困っているイン・ザ・スープと言ったんじゃないのかい?
頁626プロザックは市民の半数を支えているようだ。

とまれ、またひとつシリーズ読み終えました。以上