川崎市民ミュージアム「『描く!』マンガ展 〜名作を生む画技に迫る―描線・コマ・キャラ〜Exhibition: Drawing Manga!−Lines, Panels, Kyara」欣賞

公式http://www.kawasaki-museum.jp/exhibition/drawing-manga/


等々力陸上競技場には
なんべんも行ってますが、
隣にこんな文化施設
あるとは知りませんでした。

今日風呂は平塚遠征で、
しかも勝ったみたいですが*1
その日に私がここに
いてるのも縁だなあ、
と思います。

コミケ川崎市民プラザ
時代があったればこそ
みたいな豊富な一次資料を
見てますと、*2
(保存状態の良し悪しは兎角)
世にマニアの数のなんと
多いことよ、と感嘆します。

上段五人のコーナーは
撮影禁止、下段は
撮影可でした。以下感想。

(1)
上段五人。特になし。

(2)
陸奥A子。
私はいつも清原なつの
間違えています。
この日も、なんでライトな
性に関する佳品がないのと
訝しがり、暫くして
混同に気づきました。

(3)
島本和彦
大友克洋より高橋留美子のような絵が商業的に成功できる絵だから描けるようになりたい、
とか、あだち充の「ムフ♡」と原秀則の「アハ♡」比較考察とか、
竹熊健太郎へのオマージュのような原画の選び方だと思いました。

(4)
さいとう・たかを

さいとう・プロダクション原稿用紙

ツルツルのフツーのマクソンの原稿用紙みたいな紙に見えました。何が違うのかな?

(5)
竹宮恵子

「原画'(ダッシュ)」という挑戦

 2000年、竹宮は、京都精華大学マンガ学科の教員として迎えられ、文字通りの教育者となった。同学部学部長を経て、2014年からは学長に就任し、話題となった。
 竹宮はまた、同大学の「国際マンガ研究センター」のメンバーとして、彼女の提言で始まった「原画'(ダッシュ)プロジェクトの陣頭指揮もとっている。原画'(ダッシュ)は、コンピューターにマンガ原稿を取り込み、綿密に色調整を重ねた上で印刷した精巧な複製原画。枠外のメモや汚れも含めて保存するというこのプロジェクトは、常にマンガ界全体を未来まで見据えている〈教育者〉としての竹宮の志を象徴していると言えるだろう。


矢吹晋教授の自炊礼賛のような話だと思いました。
しかし、今日の展示の印刷物の劣化具合を見てると、原画のみならず、
印刷物自体のデジタル保存も望まれる気がします。

週刊少年ジャンプ第一回手塚賞受賞作『生物都市』掲載号当該ページの展示。
ピンクの紙に印刷が薄れて、アオリ文句などが読みづらくなっている。

(6)
諸星大二郎

『ジュン子・恐喝』掲載COMがハリー・ポッターのような輝きを…


左記、アエン。
トルコの護符と
似た図柄だと
後年気づき
ましたが…

しかし、
ほんとに何度見ても、
この場面の一連の
流れは素晴らしいです。
振り向くと
見開きアエン。
緩慢な進行、
パニックの俯瞰。
そしてヒーローの登場。
息をもつかせぬ収拾。
コマ撮り変化。
ノローグ。

そのまま映画の
絵コンテです。

大いなる仮面と、
阿鬼の取替えっ子
でも
このコマ割り
使ってますが、
どれも息を吞む。

田中圭一による解説部分
●キャラクターではなくカケアミが諸星世界を構成する

諸星世界を構築するのは独特のカケアミ
これが多用されることで「諸星大二郎作品」であることを読者は認識する

登場人物だけ取り出してみるとすぐさま「諸星大二郎作品」だと認識するのは難しい

「諸星カケアミ」は体表の質感を読者に伝えてはいない
「不気味さ」「不思議さ」を伝えるテクスチャー

パヤオ映画キャラの
説明部分は割愛します。

カケアミというより、
背景の書き込み
まで含めた、
星野之宣双葉社ムックで使用した
「説明を拒む闇」という形容のほうが
しっくりくるような。

(7)
平野耕太
この人は存じ上げませんでした。ヘルシングに似た絵だなと思ったら、
この人の作品でした。失礼しました。東林間時代の高橋葉介の太さとはまた違って。

(8)
PEACH-PIT
この人も存じ上げませんで、この人のペン入れの動画が流れてまして、
丸ペンをかなり頻繁にティッシュで拭くのと、手のあぶらが紙につかないように、
手の下に紙を挟んだりする行為をしてないのが印象的でした。

(9)
あずまきよひこ
いちばんの驚きというか収穫というか、感動というか。
よつばと!』が、デジタルを取りまぜながらも、
ICのマンガ原稿用紙に描かれていた時代からデジタル版下へ移行するさまを、
こまかくこだわった展示で説明していて、正直この人がこんなにペンで描いてるとは、
思ってませんでしたので、非常によかった。右向きの顔はデッサンが狂いやすいので、
原稿用紙の裏に左向きで描いてアタリをつけるが、デジタルの場合、
あまりやらないが左向きで描いて左右反転する乱暴なやり方も、のところなど、
昔は少女漫画誌のマンガの描き方講座に必ずこの、裏に左向きでアタリつけ、
が紹介されてたなあと懐かしかったです。

ここは、クサリと髪の毛の間に白ヌキ入れてるように見えたので、
この人もこういう伝統的な漫画のお約束を遵守するんだ、と思い、
写真に撮ったのですが、今見ると白ヌキじゃないかったです。思い込み。

パソウコンにつなぐお絵かきツールでお絵かき体験、
横で見るだけでなく試してみればよかったと思いました。
私なら細胞4分裂みたいな下絵はナシでいきなり目鼻描くのに。

篠原ともえとは関係ない、「なかよし」表紙の変遷展示。
私は、「なかよし」は、「りぼん」や「ちゃお」に比べ、
男性編集のジェンダー観を露骨に反映させてる感が高い、
と勝手に思ってるのですが、最新号の表紙はよく分からないので、
美少女戦士までしか撮りませんでした。
秋元ユニット的な漫画が登場してくるのかな?
女性週刊誌のような情報量の多さ。

裏面につづきます。もう少しだけお付き合いください

面白い文面のアンケートだと思いました。以上