映画『最高の花婿』(原題:Qu'est-ce qu'on a fait au Bon Dieu ?)(エイゴタイトル:Serial (Bad) Weddings)劇場鑑賞


廿人くらい入ってましたか。朝イチ上映なのに、なかなかですね。
雨もあるでしょうが、映画自体の持つ力もあるかな。
公式 http://www.cetera.co.jp/hanamuko/
アミューあつぎ映画.comシネマ公式 
http://atsugieiga.com/quest-ce-quon-a-fait-au-bon-dieu/

仏語Wikipedia
https://fr.wikipedia.org/wiki/Qu%27est-ce_qu%27on_a_fait_au_Bon_Dieu_%3F
当初は邦題は「ヴェルヌイユ家の結婚狂騒曲」だったとか。
今日発売のビッグコミックオリジナルのコラムで中条省平が紹介してる、
『ティエリー・トグルドーの憂鬱』はフランスで100万人が見た社会派映画だそうですが、
http://measure-of-man.jp/

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/en/e/e0/Qu%27est-ce_qu%27on_a_fait_au_bon_dieu%3F_poster.jpgこちらはフランスで1,300万人、
5人に1人が見たそうです。
すごいなフランス人。
でもまあ、ここは日本だし、
アメリにはかなわないです。
日本人がフランス映画に求めるものはアメリ
アメリゴ・ヴェスプッチ。
今週のお題「映画の夏」が
まだ続いてるかと思ってましたが、
今週のお題特別編
はてなブログ フォトコンテスト 2016夏」
が始まってたんですね。まずヒモ状態のムコに、
ユダヤ人なのに 商売下手とはな」
…バスケとラップが下手な米国黒人に
意味はないという話を思い出しました。
「四人姉妹でよかったですね、
(五人目がいたら)次はロマだ」
全編こんな感じ。字幕がまたいいです。
イスラエリーの台詞、欧州系ユダヤ人は嫌いだ、のところで、アシュケナジーと聞こえますし、
アフリカの独裁者のところはボカサと聞こえる。
http://atsugieiga.com/wordpress/wp-content/uploads/2016/06/a8d1692a81a7d81d2b2b7f94a196386a.jpg
コートジボアール人という設定なので、ドログバ*1っぽくしてると思いました。
いちばん左が四女で、ちょっとオリエンタルな顔。その右はアルジェ系弁護士と結婚した長女。
ブルネットはイスラエルユダヤ人と結婚した二女。歯科医。ユダヤ人は起業を夢見る失業者。
一番右は中国人と結婚した三女画家。ちょっと情緒不安定。旦那が中国のどこかは説明なし。
旦那以外の中国人は、街の中華総菜屋が出てきますが、北京語です。
http://mjc.chenove.net/fichiers/8812.jpg
左がコートジボアールのママ。ストパーかと思ったら、ヅラなんですよ。
寝る時には外してて、丸刈りの頭出してる。最近私、仕事あがりに、
こういう髪形の黒人オバサンと16号沿いでほぼ毎朝すれ違うんですが、
あのオバサンもヅラなんかなあ。今度聞いてみようか。
告解の秘蹟聞いてる神父が、タブレットいじりながら生返事してるとか、
フランス留学帰りの訒小平が、毎朝クロワッサンとカフェオレだったのは有名な話ですが、
この映画のフランス人の朝食は、トーストとカフェオレなんですよ。吃驚しますね。
クロワッサン食べないなんて。バケットも、イスラエルユダヤ人が食べる場面だけ。
中国人の役者さんは、ホーチミン市生まれだそうで、デュラスの愛人(ラ・マン)みたいな。
たぶんサイゴンじゃなくて、ショロンなんでしょう。統一後の華人排斥で逃げたのかと。

この映画の舞台は、特にオック語*2圏てこともなく(ロワール地方とかピンと来ないので)、
ラ・マルセイエーズを婿殿三人が合唱する場面がありますが、
そもフランス人なる人種は存在せず、フランス第三共和政の理念に忠誠を誓うもの、
それがフランス人と、むか〜しスカーフ問題のころ教わりましたし、
(だから、青い目の嫁を連れて帰って来るなという祖母の教えを守って、
 緑の目の嫁さんを連れて帰ったなだ いなだ は『民族という宗教』を書いた)
だもんで、ツールーズとかの人間は日常フランス語でない別の言語を話してる、
というのもツールーズの人間に確認しましたら、ウィというかイエスと言ってました。
そんでもって、むかしは、どんな人間も、フランス人らしい名前をつけにゃならん、
という法律があったので、フランスワールドカップ優勝メンバーなんかは、
全員ファーストネームはフランス人ぽい名前だったはずです。
どんなエスニシティーのプレーヤーも、フランス人ぽい名前。
そうした前世紀のしばりつけが解体した後の、それでもフランスであろうとする、
シャルリなんかの現実も踏まえた?、よい映画だったと思います。
(どうしてもエスプリが度を越してダウトになってしまうが、
 そうした気質は、それぞれの移民自身も持っている。
 アラブとユダヤの婿が、啓典の民同士として中国人の前では共闘するところや、
 コートジボアールのお舅さんが、いまだフランスには「デッドニガー」という菓子が、
 売られているとかたくなに信じて泥酔状態で菓子屋に絡むなど)
でもこのコートジボアール家族は、カソリックということからも分かるように、
フランスが来る前のアラブ文化や部族語からある程度断ち切られた、
例えば初代セネガル大統領は仏語詩人としても有名、みたいな世界の住人であると、
云わずとも分かる人には明白なのですが、そういう世界です。
むかし、独立アフリカ諸国の識字率が低いと言われたころ、
なんで國語の英仏語だけで調査するのか、コーランアラビア語で調査したら、
もっとよい数値が出るんじゃないのか、という論議があったのを反射的に思い出します。
あと、ラインで四女がチャールズという男とやりとりするところ、誰だよと思い、
あっ、シャルルかっ、と分かって納得しました。あと、フランスには君主もいない。
我々はリパブリカンなんだ、とは彼らがほこらしげに言うことですが、そういう場面はないです。
私もそういわれる時、ジャパンハズエンペラー、イッツアワオナとかぶつぶつゆいます。
以上

追記:アルジェ系弁護士は、リベラルなので飲酒しますが、豚肉だけはダメで、
イスラエルの地中海系ユダヤ人も同じ。酒も飲む必要ないですけどね。
どうも私は、飲酒するムスリムは、自分に都合のよい解釈をしがちだと思うので。
中国人がカソリックだったら、地下教会とか、別のテーマになるので、
そこは何も語っていません。賛美歌は歌詞カード見ながら歌います。