『グリーン・ノウ物語1 グリーン・ノウの子どもたち』 (児童図書館・文学の部屋)読了

グリーン・ノウ物語〈1〉グリーン・ノウの子どもたち (児童図書館・文学の部屋)

グリーン・ノウ物語〈1〉グリーン・ノウの子どもたち (児童図書館・文学の部屋)

その辺に転がってた本。なぜ転がってたのでしょう。翻訳権はタトル森。
読んだのは1989年の第七刷です。訳者あとがきによると、さし絵は作者の息子さん。
The Children of Green Knowe

The Children of Green Knowe

心霊エッセーと、過去の人物と現在の人物の交流を描いた児童向けファンタジーが、
前者はムニャムニャだが後者はフィクション、と括られてしまうのは残念な話です。
(まあでも、おとなが正気で判別するとそうなるんでしょうが)
再婚した親(英領ビルマ赴任)と折り合いがアレで、曾祖母にひきとられたひとりっこ少年が、
古城で出会うペストで全滅したじぶんの祖先たち、という話。四季折々が素晴らしいです。
洪水に悩まされる土地、一夜にして雪が積もる冬。

頁61 ゆうれい馬小屋
でも、馬も、人間と同じようにものを考え、強い魔法のお酒みたいに、男の子をむちゅうにさせるものよ。」

頁189 グリーン・ノアの伝説
この庭師は大酒飲みで、酔うといろんなまぼろしにとりつかれた。だが、その腕前はだれも文句のつけようがなく、やとい主は、かれの思いどおりにやらせていたらしい。

頁194 同
「ボギスのサンドイッチ、おっそろしく黄色いんです。」
「タマネギをつけたのでしょ。あの人のおじいさんのもそうだったわ。あれは、お茶よりもビールにむくのよ。だけど、ボギスのおじいさんはあんまりビールを飲んだので、そのあと、子どもや孫たちは、ビールがこわくなっちゃってね、みんな禁酒党なのよ。」

頁219 かみなりの夜
 オールドノウ夫人は、ブランディを一ぱいついで、ボギスにすすめた。
「お飲みなさい。お前がきびしい禁酒主義者だってことは知ってるけど、気分がよくなりますよ。トーリーもすこし飲んだのよ。」

この後は書き写しません。

頁220 同
「いいですか、信用なさろうとなさるまいと、あっしがこの目を信用できるものならばですよ、それは、六十年前に死んだ、あっしの祖父のボギスなんで。あいかわらず酔っぱらっておりました! とのさまきげんに酔っぱらって、なんと、全能の神さまの歌をうたってるんですよ!」

以上
【後報】
このシリーズ作品に、中国の難民少年が出てきますので、図書館でぱらぱらめくりましたが、
特に中国の文化を身にまとっているということはなかったので、借りませんでした。
"HSU"と言う名前が英語で発音できないので「ピン」と呼ばれるようになった、
とあり、「徐」さんかなあ、それだと名前じゃなくて姓じゃん、
そんなんじゃ別に読まなくてもいいや、と思ったわけです。
(2016/9/1)