『希望荘』読了

希望荘

希望荘

その辺に転がってた本。ちょっとめくったら、
10人以上の方がお待ちです。期間内返却にご協力ください。
と書かれたタンザクが挟まれてました。だからひとばんで読みました。
装画 杉田比呂美 装幀 高柳雅人
2014年から2016年5月までの小説誌掲載作品に加筆改稿の由。

人気作家の新作で、私は宮部みゆきは、火車くらいしか読んでなくて、
中国の鉄道の話でも妖怪の話でもなく、借金火の車の話なんだと思った覚えがあります。
あとは、金子修介の映画の原作書いてたなあ、と。超能力者の話。
現在もパーキンソン病と闘うマイケルJフォックスがギターで悪魔と戦う…
それはクロスロード。宮部みゆきの小説は、ぱナントカのつかないキャリー、
筒井康隆七瀬シリーズは私ならこうする、みたいな話かなと思いましたが未読。

この短編集も、すでに三冊出てるシリーズの最新刊だそうで、
まったく知らずに読みましたが、特に常連キャラもいないので、
そこは問題なかったです。

最後の話が3.11で、東京の東側が舞台ですが、老家屋、余震、で転居する展開で、
執筆中に熊本地震がありましたので、作者も驚いたと思います。
主人公は山梨出身の設定で、検索したら架空の町ですが、
竜王など、実在の市も出てくるので、検索するまで安心出来ませんでした。
全然関係ないけど林真理子はサインペンで手書きだそうですね。山梨つながり。

タイトルに惹かれて読んだので、希望荘が、東京の東側の人情タウンの、
ステキなアパートで、昔ながらの商店街もあるのかと思いましたが、
茶店とマット・スカダーを勧める薬局は出ましたが(なんで須賀田さんなんだ)
あとは工務店くらいで、希望荘は貧困ビジネスか高齢者かと思いましたがそうでもなく、
言いたいことは分かるけどもや、と思いました。総じて登場する十代の、
口の利き方がなってないです。作者の実感なのか。

最初の話は、現実のこういう場に集う人や、それを必要とする人に、
配慮してるのかなと思いました。かんちがい、必要じゃなかった、
と思うようになる人の話です。熾火という単語が出たので、
東直己へのオマージュもあるのかと思った。東直己描く独居老人は、今も通用。以上