『酒屋へ三里、豆腐屋へ二里』(福武文庫)読了

海燕」1986/1〜1989/12
計14回断続掲載。
単行本1990/5刊、文庫1993/8。
解説:日野啓三

メニエール病
(本文ではメニュエル氏病)
と暮らしながら、
胆嚢胆石と心筋梗塞
入院し、退院し、
等々力渓谷を散歩
する迄の手記。

神奈川近代文学館
安岡章太郎展に
展示されている
吉行淳之介ほかとの
ミツ豆の書簡と、
同内容がご本人
直筆で開陳されていて、
微笑ましい。です。

表題エッセーでは、
毎日豆腐ばかり
食べているとあり、
豆類主食、それも、
冷や奴という、
冷食主体はどうかと
思いました。

フィリピンの若王子さん事件
*1では右手中指を
ご本人のものと信じられており、
確か折り曲げて包帯ぐるぐる巻きして、
その写真を送ったんだっけ、
と記憶をたぐりましたが、
事実は忘れました。
確かそれを傭兵出身の作家が
看破したんだっけ?
いや、看破したのは、
湾岸戦争で捕虜になった
米兵のぼこぼこにされた顔を、
自分で自分を(口惜しさと情けなさで)
殴ったのだと見破った、
話でしたか。
マスターキートンも、元傭兵の人の協力がなくなってから、
急速に凡庸な内容になったんだよなあ、
五巻くらいでしたか、テロリストと賞金稼ぎの戦いで、
賞金稼ぎが全滅しかかるところを、
キートンが当時まだ珍しかったリフト車で二階突入の陽動して、
救出アンド犯人確保して、そのなぞ解きを、
賞金稼ぎが説明的なセリフで説明する話など、
サバイバルや戦闘術と推理小説的謎解きの融合で、とてもよかった。

閑話休題

若王子さんの事件での感想のくだりを読んでいると、そののち、
イラクで首切られた学生を知ったなら、どんな感想を述べられたのだろうと、
悪化するこの手の犯罪のモラル、没義道に想いを馳せます。

チェルノブイリの話では、日本の原発ではああいう事故はおこりえない、
という専門家の意見を引いて、頁50、専門家の自分の専門分野に関するこういう盲信振りには、シロウトの無知よりも、かえって恐ろしいところがある。
とのたまわっておられ、まあそのとおりだわなと思いました。冷却系の電源が、
外むき出しで(ということはテロ対策も考えてない)波にのまれ、
予備電源も外むき出しでしたか?それでメルトダウンとか、アホか。
外むき出しとか、ダメじゃん。

後は闘病生活の視点や切り口を、受け容れて読みました。
退院したい、いずれ、と。以上

酒屋へ三里豆腐屋へ二里(サカヤヘサンリトウフヤヘニリ) コトバンク
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岸文笑 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B2%B8%E6%96%87%E7%AC%91