『居酒屋にて』読了

国会図書館サーチ
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001708182-00
奥野信太郎 Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A5%A5%E9%87%8E%E4%BF%A1%E5%A4%AA%E9%83%8E
海老名のTSUTAYA図書館から来た本。相互貸借出来るんですね、TSUTAYA図書館
"You're not alone" て感じ。ジャイケル・マクソンとは無関係に。

頁104
 すしに関するかぎり、ぼくは、現在の清潔な東京のすし屋の店を好む。ぼくの子どものころのすし屋といえば、職人はみんなタスキ掛けで、握り台は帳場格子のかげであったから、どんな手つきで握っているのやら、さっぱり客席からは見えなかったものである。

ウナギは上方のまむしは蒸らしがないのでどうもとかいろいろ書いてるうちの一節。
下記は、人相骨相と並んで「爪相」が古来から云われてるという箇所。

頁131
拇指の爪の両側とか先が、やや反っくりかえっているくせに、中央が凹んだような恰好をしているのは、アルコール中毒だというようなこともみえているが、これなどは聞いてみると、身体的特徴として嘘のないことだともいう。少くともこんな爪は健康的ではないから、なにか体に故障のある証拠ではあろうし、それがよし心労の結果か、酒毒のためかは別としても、どうせいいことではないにはちがいない。

頁144には、爪に白い斑が現れると、衣裳がふえる徴だといって喜ぶ習俗があると、
書いています。

頁166、ぬかづけ随筆に、「隔夜」が登場し、知らなかったので検索しましたが、
個人のサイトしかヒットしませんでしたので(クックパッドにまだない!)
URL掲載は見合わせます。

頁216
 そういえばこの司会者ということばである。これはぼくの記憶するところでは、もとはキリスト教の教会語であったものが、いつしかマスコミの世界にとり入れられたものであった。それはいいとして、それがそのまま世間一般の諸種会合の進行係りにまで採用され使われるようになった。これはちょっと考えものではなかろうか。

テレビの司会者は「いじる」ことが許されるが、民間の会議や披露宴で、
同様に「いじる」必要もないしいじられると不愉快、云々が書いてありました。

頁294
 安岡章太郎は、ほんとうに小説が書きたくて書きたくてたまらない学生であった。そういう仲間が何人かいたうちで、安岡だけが素志を貫いたわけである。そしてあの象のような眼はいまも昔もかわりなく稚気に溢れた微笑をたたえている。

最近展示会見た後なので、印象的でした。
奥野信太郎既読本読書感想>
『中庭の食事』
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20160605/1465089337
『随筆北京』
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20160426/1461676368
『藝文おりおり草』
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20160310/1457615670
『故都芳艸』
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20160329/1459253015

居酒屋にて (1983年)

居酒屋にて (1983年)

以上