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見てのとおり、ゴールデン・バットです。
一巻は、ものごごろついた時の、大正天皇崩御と御大喪から、
終戦の玉音放送までです。以下、残念ですが後報とします。寝ます。
【後報】
頁8 大正天皇 御大喪ノ歌
地にひれふして 天地あめつちに
いのりし誠 いれられず
日出ずる国の くにたみは
あやめもわかぬ 闇路ゆく大喪おおはふりの けふの日に
流るる涙 はてもなし
きさらぎの空 春浅み
寒風いとど 身にはしむ
頁51、秩父宮について、北原白秋『秩父の宮さま』芦沢紀之『秩父宮と二・二六事件』、
ためになりました。たぶん自分では、読まないと思います。
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2014-05-18『対談 美酒について―人はなぜ酒を語るか』 (新潮文庫)読書感想
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20140518/1400409339
頁92、下記の歌への作者の感想があります。
この本を貫く世代論のクライマックスのひとつで、
ノモンハンあたりから徐々に、徴兵適齢期ど真ん中の作者が、
引っ張られるのは俺たちだという思いが強まっていく、
その心情の吐露(戦後目線で)です。
頁104、旧制高校受験で地方に行って受験宿に泊まって、
デートの意味でランデ・ヴウという言葉を使う。
頁138、ルドルフ・ヘスが出てきます。張学良みたいに戦後獄中で生きた人が、
欧州にもいたんですね。本書執筆時点では、戦後長く刑務所から出れてない、
存在でしたが、検索したら、本書執筆後くらいのタイミングで獄中自殺してた。
頁140、宮崎市定『ヒトラーと握手した話』読んでみたいです。
検索すると、2ちゃんのログで、全集の、数字の大きい巻とありました。
頁184、米機を撃つなら、英機も撃て!
最初全然意味分かりませんでした。カンゲキ、のほうのアレなのか。
頁206
たとえばミッドウェーの敗戦を海軍は大本営の陸軍の作戦指導部にもヒタ隠しにしており、そのため陸軍は制空権も制海権もないところでガダルカナル島の作戦を強行し、二万人近い兵隊がほとんど無意味に殺されることになったというのである。(中略)軍部は国民のことは考えずに戦争をはじめたが、その軍部も陸軍は海軍を無視し、海軍は陸軍を馬鹿にして、おたがいに自分たちだけで勝手に戦争をやっていたわけだろう。「挙国一致」というのは、(以下略)
この説が現在覆されているかどうかは知りません。
頁220 孫呉ブルース
憧れの孫呉よ、想い出のあの街よ
昼はアムール、船を漕ぎ
夜は散歩の異人町
黒河の街の灯も、またたいて
しっぽり溶け合う心と心
この歌、検索しても出ませんでした。上の、御大喪の歌も出ませんでしたが…
孫呉は兵隊やくざの舞台でもあったはずです。勝新。もうパンツははかない。
下記は大坂の軍病院の描写。
頁236
入営するとき、僕は母親から何かの用意にと百円紙幣を渡されていたが、そんなものは満州では使う機会がまったくなかったのに、ここでは金さえ出せば古参の上等兵が、
「よろしおまッ」
と駆け出して、何処かからタバコだの菓子だの買ってきてくれるのである。
この後、野間宏『真空地帯』を評して、これは日本陸軍全体ではなく、
大坂の部隊を描いてるんだよとしています。
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