『土竜の唄 香港狂騒曲』(エイゴタイトル:The Mole Song – Hong Kong Capriccio)劇場鑑賞

公式:http://mogura-movie.com/

エイゴタイトルはマカオ映画祭のサイトから。
http://www.iffamacao.com/en/gallery/the-mole-song-hong-kong-capriccio-red-carpet/
ほとんど漢字の題名なので、中文タイトルはなし。
インチキTシャツあるし、ジブンら、「の」読まれへんでも意味取れるやろ、みたいな。

映画の日なので、この世界の片隅で、とか、君の名は。とか、
見ようと思って川崎に行って、先に元日朝湯に入ろうとして、
事前の情報チェックとかなんもせずに廻ったら、六軒回って、
一軒しか開いてなかったので、それで時間くって、気がついたら、
後者は直近満席、前者は川崎ではもうやってなかったので、
⇒翌日追記:109シネマでやってましたが、ラゾーナに映画館がある、
 という認識がなかった。どのみち朝湯考えると、時間あわなかったですが…

(前者はGoogleでタイトル入れても近くの映画館とか表示されないのが不思議)
なんとなく、ハズレはないやろと思って見た映画。
「香港」がタイトルに入ってなかったら見てないと思います。

原作はスピリッツで何度か読んだことがあり、作者の芸風も分かります。
監督は、妖怪大戦争殺し屋イチと愛と誠しか見てませんが、
武闘派らしいし、サンカの研究家とソープランド好きのフォークシンガーと、
よく私はごっちゃにしてしまい、名前を思い出せなくなるのですが、
例えば、殺し屋イチはそんな面白いと思わなかったですが、
貫目じゅうぶんのヤクザ俳優に囲まれた浅野忠信がすっかり委縮して、
セリフひとつろくに聞こえないくらいの小声の滑舌になってしまい、
監督は映画の完成を捨ててまで、いじめ浅野を鍛え直すことに全力を注いだのか、
と胸が熱くなりました。おかげで北野座頭市の浅野は、よかった。

たぶん監督の人徳で、スタッフが勝手に頑張ってしまうのが素晴らしく、
愛と誠でも紙芝居アニメとかありましたが、この芝居でも、そういう細かい部分、
手弁当で愉しんでしまったスタッフがたくさんいていいですねと思いました。
あと金粉ショー。こうやって映画で記録として保存されるのはいいですね。

瑛太の悪役ホンネトークとか、ほぼ脚本家の分身と思いましたが、
生田斗真がエロい場面になると、脚本家、かんぱパパの顔真似みたく、
どんどん顔がクドカンに似てきて、そこが面白かったです。
消えない沁みが気になって、いっそ沁みだらけのほうが落ち着く、
みたいな比喩がありましたが、沁みだらけのままだといつか命落とす、
それもあっさりぽっくりではなく、苦しんで苦しんでゆっくりだったりで、
それはとてもこわいしいやなので、ふてくされていきったりするのはよそう、
と思うようになるかもしれないですね。

女優さんはみんなパンチラがありましたが、脚本家がガンダム世代なので、
富野由悠季がセイラさんとミライさんとフラウ・ボウの入浴シーンを全部入れた、
ああいう勝利の公式というか、約束を破ったらお正月映画としてダメだ、
みたいな思いがあったと思います。脂ぎった顔にされて可哀相な人もいました。
本田翼は、ネットでこの映画の感想見てたら、「バッサー」と呼ぶ人がいて、
ほんとにそう呼ばれているのかと思いました。
アリナミンNMBの人じゃなくてよかったですね。
http://natalie.mu/media/eiga/1611/1110/moguranouta2/extra/news_xlarge_moguranouta2_hisamatsu_1.jpg
http://natalie.mu/eiga/gallery/show/news_id/212837/image_id/673334
この女優さんは四川人の役なので、北京語喋ります。
菜々緒も北京語ですが、まあいい加減です。
zh,ch,sh,ri, を、z,c,s,z, と発音しとけば南方人、みたいな適当さ。
「死ね」の字幕なのに"去死"でなく "死" と言ってたり*1
いくたとうまとすれ違う時、"欢迎你, 好吗?" と言うのですが、
なんのこっちゃと思いました。自称日本語ペラペラのガイジンに、
「コニチワキョーテンキイデスネ〜」と話しかけてみる実験、
みたいな感じです。香港マフィアはみな広東語みたいですが、
クドカンらが香港旅行とかネットで憶えた広東語をとりあえず出した、
みたいな感じで、全然違う字幕で、「ポッカー」とか「ガウチョイ」とか言ってます。
トラの檻の幕覆いの文章は、下記の通り、ベンガル

http://cjjc.weblio.jp/content/%E3%83%99%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%83%AB

最期のパラシュートの個所がよかったです。ここのニュースのアナは、
きちんと中国語で話してます。以上

【後報】
チャウ・シンチーの映画見てて思い出したのですが、この映画、
香港である必然性は、決戦会場にサンパンで乗り付ける場面以外、
特にない気がします。サンパンに白スーツ、外せないですね。
(2017/1/17)

*1:予告動画の「スゥ〜〜〜」