- 作者: こうの史代
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2009/04/28
- メディア: コミック
- 購入: 19人 クリック: 174回
- この商品を含むブログ (205件) を見る
2016年12月16日16刷
映画と比べて考えてしまうことが増えてしまう最終巻です。
姪っ子と手をつないで防空壕から出たあとの描写とか、ですね。
もっと妹尾河童風、ちばてつや風の上から見下ろした構図にすれば、
もっと、何があって、すずさんにはそれが見えていて、
晴美ちゃんは見えていなかった、が、分かりやすかったかな、とか。
呉のいちばん大きい空襲を、漫画は力を入れて書いてますが、
映画はそれほどでも、な気がしました。郊外のたんたんとした日常優先だからか。
で、映画だと、七月くらい、もう、嫁ぎ先でどんどん居場所がなくなって、
(体の弱い姑さんを忖度して、おさんどんのため嫁とりしたのに、
空襲で負傷して家事労働困難になったら、それは石潰し飼い殺しなのか的に)
いたたまれなくなって、おいつめられてゆき、そして、
実家のヒロシマで、8月6日に町内会のおまつりがあって、
つらいなら里帰りしてもええんよ、はようかえりんさい、の声があって、
やばいやばいやばいと出川のように胸がぞわぞわしながら見るわけですが、
そのへんのねちねちさがマンガではまるでなくて、
あっというまにきのこ雲です。八月十五日の唐突な太極旗は漫画も有〼。
頁10欄外に飛行機雲の解説がありますが、今ちょいちょい見る飛行機雲、
飛んでる高度は五千とか三千とかだと思うのですが、
(厚木の軍用機と羽田-西日本を結ぶ民間旅客機とでも、
安全上の高度のすみわけがあったはず)
B-29は高度一万メートルの成層圏を飛ぶそうなので、どう見えるんかな、
飛行機雲、と思いました。
頁140、中国語版のタイトルと同じせりふがあって、はっとしました。
ここ、映画だと気づかなかった。この後の、戦災孤児の浮浪児に、
やきもきしてしまったので。映画を観た後、何故この子が、
すずさんにくっついてきてしまったのか、右手のことを説明して、
説明しながら、嗚呼野暮なことしてると思ったのを思い出します。
映画感想
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20170212/1486862603
上巻感想
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20170219/1487506965
中巻感想
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20170224/1487883871
以上
【後報】
港南中央
(2017/3/17)