- 作者: 細野恵美
- 出版社/メーカー: 三五館
- 発売日: 2016/08/21
- メディア: 単行本
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予約して半年後ささっと読んだ本。あとは後報で。
【後報】
おおむかし読んだ『勝つためのレシピ』(光文社新書)*1は、
食パンよりバゲットのほうが消化吸収、栄養の骨肉への転換効率がよい、
ハムよりウインナーのほうが同上、等書かれていて、
本書にもそういうトンデモ?があるかと期待したのですが、
(あればさっそく生活に取り入れようと思って)
そういう具体的な献立指示はありませんでした。
糖質とタンパク質両方摂れよ、摂らないのはダメ、
(脂肪でなく筋肉が落ちての減量となり、ダメージリスクがアレだから)
運動と併用しろよ、的なごく常識的な記事でした。
それだけ現代人はバランスが崩れた食生活をしてるのかなあ。
本書に出てくるアスリートでいうと、千葉ロッテマリーンズでは、
まずゲンかつぎのすさまじさに圧倒されました。
同じ女性作者によるサッカー漫画『フットボールネーション』は、
ゲンかつぎや円陣などの自己暗示を一切廃した主人公たちを描いてますが、
女性が女性を描く場合なら、別の描き方をすると思いました。
とにかく作者にとってはゴッツンだったみたいで、
目を白黒させたさまがよく分かりました。それに比べれば、
ナイターの野球選手が深夜の食生活になってしまうので、
早婚の傾向があるのは分かる(手料理でバランスのとれた夕食食べたい)
とのことでした。深夜の夕食の場合、消化に悪いのは敬遠すべき、
との作者の意見ですが、選手はやっぱりカラアゲなどの揚げ物や、
焼き肉が好きなので、どうにも出来ず悶々としたとか。
つぎのにしこり選手は、肉に頼らず、糖質で筋肉をつけるという、
老荘思想のような逆説のストーリーで、最初、
全部の食材を日本からフロリダに持ち込んだように読んで、
葉物野菜とか地産地消のほうが鮮度よくね? と思ったのですが、
改めて読み返すとそうは書いてませんでした。
そりゃ世界中のプロテニスプレーヤーが暮らす街なんだから、
アスリート向け食材のコーディネーター(はいない?)や、
サプライヤーは当然いるだろうと思うのですが…
もしいないのなら、そこはビジネスチャンスかもしれません。
のー先生のサッカーの憂鬱には代表料理人の話があって、
一切合切コンテナで日本から持ってく訳ですが、
(そのへん古き良きODAが資材全部日本から持ってくのと似てる)
ただそれは、アウェーの地で、何盛られるか分からない、
100%安全な調達ルートを誰も保障し得ない、前提での話で、
(そしてそのわりにスタッフは、板前ひとり除いて後は現地の人)
テニスなんかはセントラル開催ですので、食材メーカーがえこひいき、
するかどうかよく分からんです。開催国選手の優遇とかも、どうかな。
- 作者: 能田達規
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
- 発売日: 2013/05/29
- メディア: コミック
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肉忌避の時代と、その克服のストーリーでした。
なにごともバランス。頁143、足裏に衝撃のかかるスポーツに貧血が多く、
スポーツ貧血と呼ばれるとの個所は勉強になりました。
私はウェイターをやっていた頃、足のサイズより小さい靴を履き続けると、
この立ち仕事では脳に来る、と教わったことがあり、
ちょっと違うのですが、それを思い出しました。
あと、中距離の選手だった人が、立っておしっこして立眩みして、
座りこんで一時休んでもらった時のこと、思い出しました。
あと、頁167、体重制競技に真面目に取り組むアスリートは、
まじめなだけに拒食症の陥穽があるので、そこを守るのも周囲の仕事、
的な箇所があり、そこも考えさせられました。ひと一倍頑張れるのも、
よしあしというか、よしの方向に向えるベクトルづくり、でしょうか。
お弁当も「勝負メシ」であれば、糖質中心で低脂肪、
ビタミン、ミネラルが豊富、が原則とのことで、
なんでもそうだろ、カップ麺だけとかがいいわけないから、と思いました。
具体的な一週間の献立例とかは記載ありません。まーそういうマニュアル主義も、
アレなんでしょう。中学生以上の男子なら1キロカロリーの弁当箱で、
1リットルの水が入る大きさの弁当箱がほぼそれと等量だそうです。
女子は700キロカロリー。ペヤングの超大盛りは1,100キロカロリーですが、
糖質とか低脂肪とかビタミンミネラルとか考えると、違うんだろうな、
と思いました。まあ私は、高カロリーゼロ栄養の頂点が、酒、
アルコール飲料であることを知っているので、
(アルコール依存症が進むと骨と皮とぽっこりお腹の栄養失調になるとか)
そりゃバランスよく行きますです。
高木サラ選手については、特にないです。
あと、作者は、五万人応募で五十人採用という狭き門をくぐって、
一流企業に入社し、
入社後一年で会長秘書に抜擢されたが、その職を辞して、
栄養管理師の専門学校に入り、ロクに就職先のない世界で、
電車の中で偶然会った千葉ロッテマリーンズのバレンタイン監督に直訴、
で、チャンスの女神の前髪をきちんと摑んで、そこから頭角を現したそうで、
それとは関係なく、大学では専門に中国語を学んだとあり、で、
大学名が書いてないので、検索して明海大学と分かり、
その大学は知りませんでしたので、中国語教育機関も、
霞山会とか、麗澤大学とか、神田外語大とか、二松学舎とか、
桜美林とか、いろいろあって、明海大学というところもあるんだなあ、
と思いました。以上
(2017/5/15)
【後報】
ついてる2772さんのブログでこの本を拝見致しました。
http://d.hatena.ne.jp/tsuiteru2772/20170124/1485287712
良い本を知らせて頂いて感謝です。
(2017/5/16)
*1: