映画「吉田類の「今宵、ほろ酔い酒場で」劇場鑑賞

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週刊朝日2017/5/19日号(2017/5/8発売,第122巻第25号通巻5438号)の、
林真理子の対談のゲストがザデイナーの人*1で、
映画のバンセンもしてたのですが、

頁116
吉田 監督(長尾直樹さん)の遊びに僕もつき合っているだけだと思いますけどね。

と、含みのある言い方をしてたので、それで見ました。

オムニバスの連作三本で合計僅か85分、一時間半以下の鑑賞時間なのですが、
一本目がきつくてきつくて、お通しキャンセルして即席を立って、
帰りたかったです。クーリンチェの四時間を先日堪え切ったのに。

今日は雨の日でしたので、だいぶ大きなハコで、
千百円のサービスデーだったのですが、客は拾人切ってました。

まー抱き合わせ商法というか便乗商売というか、
とにかく一本目の居酒屋チャンスがキツかった。
他人の酔態を素面で延々観察するのは、現実だけでじゅうぶんです。
画面越しでまでやろうとは思わない。またホッピーの泡がキレイで…
常連が楽しく集う店という設定なんでしょうが、
ママも飲んじゃう店で、皆店内でツブれて朝まで店内で寝てしまうとか、
どこの中央線沿線宇宙でも下北沢でも、ちょっとな。
客は終電なりタクシーなりで追い返して店じまいして明日に備えて呉。
記者コンビが脱走アイドルをフリスク型📷で撮るのですが、
居酒屋に来たくらいではスクープにならないだろう、と。
未成年飲酒だったら飲ませる側に同席した記者も同罪だろうし。
援交とか仕込んでるわけでも無論ないし、彼氏を呼び出させて、
路チューとかさせるわけでもない。しんどい店であった。

二軒目は、悪い典型の居酒屋に雨宿りのフリで飛び込んだ、
リーマン伊藤淳史の悲劇という話で、これは、多少なりとも、
似た経験をしたことは誰しもあると思うので、まあまあでした。
「常連だけでやってろよクソ」みたいな店。ただ、この店も、
マスターが飲みながらやってるのですが、前立せんがんで、
余命宣告されてるという設定なので、伊藤淳史がこの店の前に、
入ろうと予定していた店が都合により閉店していた、
それと同じ展開になるわけで、シャッター商店街にまたひとつ、
シャッターの花。伊藤淳史最後はやーさんと飲みまくって終わりで、
なんかもう少しひどいことになるんじゃいかと思うのですが、
そこをちゃんと書かないので、減点かなと。
死にたくて飲んでる常連もオカシイ。クルシミマスよ。

三本目は吉田類が主役を演じていて、文士劇のノリだと思いました。
うまいですよ、吉田類。演技させてもうまい文人なんて、
筒井康隆とか羽田圭介とか(ちがうか)たくさんいると思うのですが、
でも吉田類うまかったです。
中公新書は未読ですが、生活人新書*2に幾つか書かれてる泣き言とか、
からだにしみついた上での貫禄でしょうね。
週刊朝日の対談でも、下記の如く語っています。

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林 からまれることはないですか。
吉田 ほぼないですね。僕はすごく場数を踏んでいますので、向こうも雰囲気でわかるんじゃないですか。それなりに距離をおいてもらえるというか、うかつには近寄れないぞという。よく「けっこうコワモテでんな」って関西弁で言われますから。
林 腕っぷし、強そうですもんね。
吉田 いまあるかどうか知りませんけど、お客から料金をぼったくるお店があったじゃないですか。そこに誘導されかけたことがあります。初期のころ、「ファンです。一緒に飲みに行きましょう」と言われて、タクシーで知らない店に連れていかれたんです。これは危ないなと思ったので、相手がボロボロに酔っぱらって、ほかのお客とケンカを始めた隙に、パッと逃げました。僕と「乾杯」「乾杯」って同量を飲んだら、たいていの人はつぶれてしまいます。

そこから仁淀の回想シーンになるわけですが、あれは現地ロケでしょうか。
最後のクレジットよく読まなかったので…
生活人新書にも、焼酎の話とかは書いてあった気瓦斯。
きれいなところだと思いました。あんな山家の里が、今でもあるのかな。

ここから関係ない話になります。

ふとエレベーターの表示見て、あーこの店まだあるんだ、と。

もう三十年近く前に、連れてってもらった店です。
バニーガールの人は、テーブルにつくわけでなく、
オーダーとサーブの際にテーブルに来て、その時ついでに少し、
話が出来るだけというシステムでした。当時は。

習志野空挺部隊だかスキー部隊だかにいてケガで民間に下った人が、
バイト先にいて、その人に連れてってもらった店です。
そのバイト先には、キブツ帰りのオバサンとかもいました。
特に挨拶もなくやめてしまったので、オバサンから達筆の手紙貰いました。
今なら、その時の彼らの気持ちが分かります。以上