「君の膵臓をたべたい」("I Want to Eat Your Pancreas")劇場鑑賞

原作読んでません。泣ける、号泣、とのことで、
ローガン観るはずで使わなかった福利厚生チケットを、
ジョジョに使うかこちらにするか迷って、結局膵臓観たです。
公式 http://kimisui.jp/#/boards/kimisui

英語名不明。中文"想吃掉你的胰臟病" 「病」が付きますね。
三池崇史映画は、計算出来る気がしましたが、こちらは、
アニメだとばかり思っていたので、膵臓実写にまず吃驚しました。

・アイワナイートザ膵臓は、作者の強気なイーゴウだと思いました。
 綺麗に描いても、やっぱグロいことばですから。
・しかしそれ以外のプロットは、山田風太郎忍法帖なみに練られていると、
 思いました。クセ球というか、奇策とは思いましたが、
 毎回王道を行く必要もないだろうので。
・前三列除いて、ほとんど埋ってました。照明がついた後見回して、
 そんなに泣いてないかったです。彼氏の目を気にしてたのか。
 でも上映中は鼻をすする音がした。
・日本の青春映画やアニメで、学校の屋上で弁当食ったり、
 授業をさぼる学生を見た海外の人々が、日本のガッコは、
 屋上の出入り自由だと勘違いしてると何かで読みました。
 アメリカ映画の、ロックせずに車を離れる刑事なみにおかしいことを、
 ちゃんと広めたい。アメリカ人も車から降りるときは、ロックします。
・高校の図書室に新聞や児童書、絵本があるわけないと思いました。
 新しい台湾の文学、や、文学のおくりものが冒頭出て来て、
 ほほう、どういう基準でカメラに映る本を並べるのかな、と楽しみでしたが、
 撮影用に神保町のどっかの古書店から、苦役列車と同じ本を借りたような、
 そんなありがち感を感じました。もっと思ったのが、
 主人公が共病文庫の前に入れてる文庫本が、
 三島数冊、金閣寺とかで、読むにしても、自宅の本棚に並べる程、
 愛着あるか? と思いました。その左隣は荷風だったか一葉だったか。
 この主人公だったら、和辻哲郎九鬼周造ウンベルト・エーコでも、
 並べておけばよいのにと思いました。それプラス西尾維新とかラノベ
・仏前のあの電飾灯籠は、私も持っています。
・大友花恋は大友康平の娘なのか大友良英の娘なのか、
 はっきりしてほしいと思いましたが、どちらも違うようでした。
・この作品は、ツタヤ図書館の独自分類法に対する異議申し立てかと、
 訝しみましたが、900番台以降が未整理とあったので、
 900番台がずさんな書誌ナントカとかないだろ、と思いました。
http://kimisui.jp/img/gallery/img/14.jpg
・ヒロインが絶えず笑顔すぎて、演技大変だったろうと思いました。
「わたしだって死ぬのこわいんだよ!死ぬのがこわくないと思ってるの?」
 と、キレる場面がいつ出るかいつ出るかと思って観てましたが、
 思いもよらない展開でブツッと切れてしまい、この作戦は、
 作者の勝ちやと思いました。
・ただ、それであまり泣けなかったのは、主人公の背景が見えずらく、
 それゆえに、劇中の緩解、彼が心を開く場面が、
 あまり深く響いてこなかったからです。母親は一ヶ所登場、
 父親は出ませんが、それ以上掘り下げられなかった主人公の背景。
ゼータガンダム時点のアムロ一年戦争を回想し、
 しかもそこにセイラ・マスとの情事の記憶が絡み、
 彼女の日記まで発掘され、彼女の視点からも一年戦争が語られる、
 ような話です、と言えばだいたい分かってもらえると思いました。
 ガノタでなくても。

以上

【後報】
英語版Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/I_Want_to_Eat_Your_Pancreas
(2018/3/31)