『アメリカン・パイ』 (秋田文庫) 読了

アメリカン・パイ (秋田文庫)

アメリカン・パイ (秋田文庫)

そのへんに転がってた本です。再読とすべきか迷いましたが、
未読の作品『ジェニファの恋のお相手は』『ベルとマイクのお話』
ヴィオリータ』がありましたし、表題作も、全然覚えてなかったので、
読了としました。平成15年初版ですが、今でも新刊で購入可能なのが、
秋田書店の底知れないパワーだと思います。装幀:大野鶴子、
クリエイティブ・サノ・ジャパン 解説は宝塚演出家小柳奈穂子

表題作のアマゾンレビューで、ドン・マクリーンの歌と、
絡めたものがありましたが、あまり関係ない気瓦斯。

望月峯太郎『バイクメ〜ン』第一話はそっちのアメリカン・パイでした。

検索してたら、下記のドラマシリーズが出ましたが、
ポリスアカデミーすら見てない私は、知りませんでした。
ジョナサン・リッチマンメリーに首ったけは、
面白かったと思います。初期作のトレーラーが、
なんか加工してあるのしかなくて、読むのがうざかったので、
下記を置きます。"American Pie 4 trailer"

話を萩尾望都に戻すと、最近、『ピアリス』も転がってたのですが、
ピアリス

ピアリス

'90年代にペンネームで発表したときにそれほど評判でなかった?
し、未完作品とのことだったので読みませんでした。
けっきょく春のナントカ、ポーの新作も読んでないです。
いっしょに転がってた政略結婚は、萩尾望都とは何の関係もないですが、
ラジオで紹介していたので、読もうかと思いましたが、
時期を逸しました。
政略結婚

政略結婚

で、なぜ宝塚がアメリカン・パイを(よりによって)
歌劇にしたのか分かりませんでした。三月ウサギとか、
この娘売りますとか、ケーキケーキとかのほうがよいと思うので。

お話自体も、マイアミという設定なのですが、皆長袖で、
サマースーツにカンカン帽というかパナマ帽とか、
Tシャツとか、そういうトロピカルな服装が一人も出ず、
保養地の雰囲気が全然なくて、また黒人もキューバもいないしで、
この寂れ方はコニー・アイランドではないかとずっと思いました。

萩尾望都の作品は、小学館文庫の『トーマの心臓』で、
作者自身言っているように、作者の学生時代や福岡の生活が、
知らず知らずのうちににじみ出ていて、アメリカやイギリス、
ドイツのギムナジウムなんかを舞台に描いていても、
やはり根底には福岡だったりなにがしかがある、と思います。
『雪の子』の、本家分家なんか、麻生一族みたいな、
九州のものごっつい旧家の話なんじゃいか、それそのままだと、
面白くもなんともないから、ドイツを舞台にするんじゃいか、
そう思います。九州は、やっぱり官軍だったので、以前行った時は、
想像以上に豊かでした… 日本でいちばん豪壮なプーソーは、熊本にあるというし。それにはそれの理由がある、と。
『アロイス』読んだはずでしたが、金髪に網掛けトーンの肌の子、
こんなキャラいたっけ、と思っていたら、頁144、
はなれろよカラードアラビアン!
こんなセリフあったっけ? と思いました。
70年代の漫画は、90年代以降再版される際、
ポリティカル・コレクトネスで台詞が直されることがあるので、
妖怪ハンター生命の樹の「こいつらまるでry」のように)
初出が気になるなら内記に行くしかないかなと思います。
こんなことで、ただでさえ混んでる国会図書館を煩わせたくない。

「白い鳥になった少女」はアンデルセンが下敷きとありますが、
ほんとにこんな農民保護的な話だったのかなあ、とも思います。
パンを踏むトラウマってなんだろう。

ひさしぶりに初期の萩尾望都読めて楽しかったです。以上