「十年 TEN YEARS」劇場鑑賞

公式 http://www.tenyears-movie.com/
粤語Wikipedia https://zh-yue.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%81%E5%B9%B4

正直、タレンタイムだけ見るつもりだったのですが、午前中の予定が消えたので、
それで、これも見るかと見た映画。見てる間に予定がまた変わって、
午後やることが午前中不参加のまま終わってしまいました。こんなんばっかなので、
正直外出が出来にくくなっています。でもそれが年をとるということかも。

香港の焦燥は分かりますが、その気分を共有して影響されたくない、
という個人的な思いもあり、それで逡巡してたのですが、まー、
思ったより軽くて助かりました。視野狭窄な押しつけ映画だったら、
ここまで香港で観客動員出来ないか。全五話のオムニバス映画。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/en/8/8f/Ten_Years_HK_poster.jpg第1話『エキストラ』
原題《浮瓜》
"Extras"

"长毛"が、2003年に
来港したとの独白が、
よく分かりません
でした。
港人じゃないのに、
港人の悲哀を語る?
ガンブーのうち、
オバサンと中山服だけ
北京語です。

第2話『冬のセミ
原題《冬蟬》
"Season of the End"

オムニバスということで、
抱き合わせがあるのでは、
という嫌な悪寒があり、
まさに的中映画。
自主製作映画的彼女、
主演女優の地味な顏を、
見続けるのが
辛かったです。
誰も出ないから
仕方なく出た人なのか、
実は小劇場とかの
実力者なのか。謎。


第3話『方言』(原題も同じ)"Dialect"
ジョニー・トーの映画、毒戦見てないですが、PTUもDVD積ん読状態。
柔道龍虎房はいい映画でした。

私も以前この日記で、香港で急病人が出た時に、タクシーの運ちゃんから、
"我不懂普通话"と言われた話を書きましたが、マー今さらベッカムでもなし、
そんなん言ったら"的士"だって"冰淇淋"だって"瑞士"だって、という話で。
ただただ笑いましたが、一生懸命プートンホワを覚えてさべったのに、
うまく意思疎通が出来ず、仕事辞めます!と口走ってしまうチャンネーには、
ほろっとしました。
http://static.apple.nextmedia.com/images/e-paper/20160220/large/1455983324_6349.jpg
http://hk.apple.nextmedia.com/enews/realtime/20160220/54781334
正直、ヨウマティとかチムチャッツイとかは分かりますが、
ガムチョンと言われても分からないだ。私も金鐘をジンチョンと呼んで、
香港仔に嫌われそうな気がします。重慶はチョンキンと読めるのにな。
コーズベイとかスタンレーはなんか知ってますが、アドミラルティ

で、ただ、これ、台湾まで視野に入れて語ると、
台湾の南の人は、日常は閩南話ばっか話してるけど、
國語だってぺらぺらで正確じゃないですか。
既にそうなっている社会があるのに、香港が、戸惑い続けるのが、
滑稽な気が少しするですよ。言語面では、永遠に、
まだ間に合う、じゃないかな。少数民族言語と違って。
だいたい私は、"为时未晚"とか気のきいた言い方が覚えられなくて、
"还来得及"とかさっきまで言ってました。

第4話『焼身自殺者』原題《自焚者》"Self-immolator"
http://static.apple.nextmedia.com/images/e-paper/20160212/large/1455286262_8a2d.jpg
http://hk.apple.nextmedia.com/realtime/news/20160212/54753203
これが关键/關鍵の電影。上の画像、アップルデイリーから引っ張ったんですが、
ずっと見え続けるといいなあ。林檎新聞どうでしょう。
とにかくドックラップドックラップゆっていて、びっくりした。
ドックラップというと、ベトちゃんドクちゃんの報道で、
サイゴンというか胡志明ホーチミンの通りの名前で、
ドックラップ通りというのがあり、独立のベトナム語読み、
というのを知っていたので、広東語でもそう読むのか、
とまず思いました。確か、自由通りが、ツーゾー通りなんだよな。
そっちは、全然中国語からの変化が読めない発音ですが。

漫然と見てましたが、パックヤンと呼ばれたキャラかな、
柏陽と漢字名が出て(イングリッシュネームは"Marco")、
『醜い中国人』*1のボーヤンのパロディかいな、と思い、
ほかのキャラもなんか意味あんのかな〜、中国人メタファー好きだもんな、
と思いましたが、多分香港のどこかのサイトで、そのへんは、
かなりしつこく調べてるんじゃいかと思いましたので、
検索してません。(第一話のコインが1997年製造とか)

インド系の彼女が、いい女優さん見つけたな〜と思う反面、
香港の歴史の外来者の履歴を考えると、英領時代からの、
インド系を強調したい気持ちは分かりますが(大陸にはいないので)、
英領時代は銀行の前で銃持って立ってたシーク教徒のイメージしかなく、
いまさらチョンキンマンションでチキン売ってたネパール人とか、
そういうのの子孫を縷々出されても、なら、ベトナム戦争後、
日本なんか比較にならないほど沢山辿り着いたボートピープルの子孫とかも、
(近いので)同じ香港人じゃないですか出せばいいのに、とおもいました。
むかし見た、Gメンみたいな香港刑事ドラマの女刑事が、
ベトナム系という設定だった。思い出しました。
https://cdn.thestandnews.com/media/photos/cache/ten_years-2_addIQ_1200x0.jpg
https://thestandnews.com/culture/%E8%A1%9D%E5%87%BA%E9%A6%99%E6%B8%AF-%E5%8D%81%E5%B9%B4-%E7%8D%B2%E9%81%B8%E5%85%A5%E5%A4%A7%E9%98%AA%E4%BA%9E%E6%B4%B2%E9%9B%BB%E5%BD%B1%E7%AF%80/
保険でもう一枚画像貼っておきます。

第5話『地元産の卵』原題《本地蛋》"Local Egg"

下記の事件などが下敷きだとか。

日経BP 2016年6月22日(水)
銅鑼湾書店事件、「ノーと言える香港人」の告発 中国の強権に屈せず、香港の核心価値を守れ
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/218009/062100051/
http://b.hatena.ne.jp/entry/business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/218009/062100051/

日本人もちょくちょく大陸では拘束されてますし、
朱健栄拘束とか、いまだに謎のままでしたか、ひどい話です。

レコチャ 2013年10月1日(火) 7時0分
<遠藤誉が斬る>朱建栄氏拘束の謎を解き明かす―「ネット言論」の落とし穴!
http://www.recordchina.co.jp/b77383-s0-c60.html
遠藤誉のように日本を赤化せんと青雲の志に燃えて帰国した、
日僑徴用家族子女*2が、(中国57番目の民族"dahezu"でなく日僑
切らなければならないほどの国になった中国と言うのも、なんだなあと思います。

ドラえもんは、この映画では"小叮噹"版を読んでますので、
小学館におカネが入る正式版権の"多啦A夢"讀めよ、ってことだと思います。
この辺ややこしい。大陸でも"机器猫"はNGで"哆啦A梦"なので…
中国が勝手に権利とったクレしんにしてたらどうだろう、
と検索したら、双葉社、八年に渡る長期訴訟を経て、
2012年に勝ってたんですね。アンテナ低くてすみません。よかったよかった。

双葉社公式 2012年4月17日
中国における『クレヨンしんちゃん』訴訟の勝訴判決について
http://www.futabasha.co.jp/introduction/shinchan_trademark/

中国のスタバで、本日のコーヒー、"本日咖啡"を見たことがあるので、
本地垂迹がダメで、本日が許されるのはなんでだっ!!
怎么敌不行日行呢?という展開を考えましたが、お前はおかしな日本人Ðaな、
とまた言われそうなのでここにメモするだけにします。

タマゴの話で、サーズ以前の話ですが、広州の中山大学に留学してた人から、
カントン人はなまタマゴ食べると聞いたことがあり、この映画でも、
食べる場面ないかな〜と見ましたが、なかった。
個人的には、香港人が大好きな長いコメ、インディカ米、香米が、
中央政府によって禁止され、短いコメ ジャポニカ米の太湖米なんかが、
推奨になったりする未来はどうだろうと思いましたが、
そういう展開はなかったです。

駆け足で感想書きました。以上

*1:https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/71yO0FnbX5L.jpg

*2:チャーズ下巻参照