「メアリーの総(すべ)て」原題:"Mary Shelley" 劇場鑑賞

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「不幸に」に抱かれ、 「死」に口づけられ、 世紀の傑作を産んだ。 「フランケンシュタイン」の著者。18歳。 19世紀、イギリス。 可憐で聡明なメアリーが世にも恐ろしい怪物を誕生させるまでの 哀しくも美しい人生とは――?

映画『メアリーの総て』公式サイト

www.youtube.com

(1) なぜこの映画を観ようと思ったか。

  • 最近全然見に行けてないのですが、ほかの、はてなダイアリーの人が、エル・ファニングのファンで、それを覚えていて、で、私は、「パーティで女の子に話しかけるには」でしかこの女優さんを知らないので、じゃー新作見ようと思いました。
  • 黄金町のジャック&ベティが、珍しく毎日三回もかけているので(最初の週)相当この映画気に入ったんだなと思いまして、それもあった。また、アップリンクも、吉祥寺開館上映にこの映画ぶつけてきたので、彼らもエル・ファニング好きなんだろうと。チネチッタ古屋兎丸の漫画による紹介を貼ってます。
  • 私は理由があって、ヤフー映画のレビューをよく観るのですが、この映画評に関して、むかしの2ちゃんねるばりに真っ二つに割れていて、「エル・ファニング現時点での最高傑作」☆☆☆☆☆があったかと思うと、「…結局不倫でしょ…」☆1.5とかもあって、あー戦ってるなと。ほかの映画サイト、映画.コムとか、Movie Walkerとか、映画の時間とか、Filmarksとかだけなら、こうまで沸騰しないのでしょうが、TOHOシネマズのラインアカウントから見れるというのがヤフー映画のウリで、おそらくボヘミアン・ラプソディが、それをもっとも大規模で戦略的に活用したと思われる(妄想の可能性あり)ので、それで、なんでんかんでん本気は思いっきり本気!みたいに星をアゲよう☆を落とそうという戦いが起こってるのかなーと思います。「不倫でしょ」とか、見ないでDisってるだけとしか考えられないので。情報操作とレッテル貼りですよ、なんて。

(2) 邦題と原題について。

  • メリーなのかメアリーなのか分からなくなって、窓口で「メリーのすべて、いや、メアリーの」と言ったら、クリスマスに窓口業務のオネーサンが、祝福とかそういう気持ちがないのか、「メリーに首ったけのすべてですね」と、ずっとメリーメリー言ってくれました。ヨコハマメリー。スリービルボードに続く社会派黒人映画「グリーンブック」の監督が、六本木が生んだ最大のスター女優キャメロン・ディアス出世作としてメリーに首ったけを作ったのが昨日のことのように…話がすべったのですが、今回の邦題は、「メアリーのすべた」という謎かけだと思います。原題はというと、ネタバレ以外のなにものでもないと思います。パーシー・シェリーといっしょに暮してるメアリー・ゴドウィン。
  • でも、チラシなんかも、平然とメアリー・シェリーを連呼してるので、あまり考えなくてもよいのかと。

(3) エル・ファニングについて。

  • キスシーンの多い女優さんだなと思います。「パーティーでry」でもそう思った。
  • 胸はないですが、この映画、途中から、よせてあげて頑張った。
  • ペン回しがヘタだと思いました。私はもっとヘタですが。ペン回しは監督の強要なのか。
  • メアリーの悲しみについて、最近あまりに子どもをなくした親の映画が多いので、多産だった時代を、少子化の現在の視点から捉え直しているんだろうかと思ったりします。検索したら、実在のメアリーの悲しみは、とってもこんなもんではなかった。

    ディオダディ荘の怪奇談義 - Wikipedia

(4) その他の人物や歴史について。

  • 妹役のひとは、セガールの娘さんに似ていると思いました。平成ガメラ一作目。このひとは最後どうなったか、映画で示されません。
  • バイロンも、木原敏江のマンガ『銀河荘なの!』で、ファザコンの娘さんが若年死した父親について「バイロンと同じ年で天国へ」と連呼してたので、それで36歳で死んだことを私は知ってるのですが、映画のおわりに語ってくれないので、映画だけ見ても、晩年が分からないだろうと思いました。ギリシャオスマン・トルコに挑んだ独立戦争義勇軍として参戦し、ファウメ上陸だかなんだかで、死んでしまったという。北一輝やミシマを連想せずにはおれない気もします。松田龍平が演じたらいいんじゃいかな。
  • スイスのバイロン邸へ向かうシーンは、ドローン空撮だと思います。日本でこんだけバンバンドローン使ってるんだから、ハリウッドでも使ってないわけない。
  • いっくらイギリスは晴天の日のほうが珍しいからといって、これはやりすぎだろう、うすぐもり縛りすぎると思ったのですが、検索すると、この年はインドネシアで火山が爆発して、記録的な冷夏で、「夏のない年」だったとか。
  • この、各自怪談を持ち寄って、の話、私は模造記憶で覚えていて、まずバイロンは絡んでなくて、ブラム・ストーカーが絡んでいて、フランケンシュタインとドラキュラとカーミラと狼男がぜんぶ同じ時に競作の結果世に出たと思い込んでいました。どうもそうではなかったと。

(5) 監督について。

  • サウジ出身女性監督とのことですが、これが二作目の監督作品だそうで。サウジで女性が自動車運転出来るようになるまでとか、在トルコ大使館で起こったこととか、王族にハッサン・サバー、「山の老人」気取りのオッサンがいたこととか、そういうテーマは荷が重すぎるのだろうと思いました。というか、叙情派なので、そっち方面には才能を迸らさなかった。ミドル・イーストにマイケル・ムーアが誕生するかは、それはまた別の話。ちなみに、私はそういうのを真摯に追求するならともかく、それでメシを喰うタイプの姿勢には、常に懐疑的です。

以上