『セカイ、WORLD、世界』 (ビームコミックス) 読了

編集総長・担当奥村勝彦の鶴の一声で発刊が決まったとか。
漫玉日記でキャラが知られてるだけに、どういう状況だったか、
想像しやすいかと。各話著者手書きコメントつき。


世界
収録7編が全てコミックス未収録!!そのうち4編が、雑誌にすら未掲載!!最古作と最新作の幅が30年以上!!漫画家・新井英樹の成長と未成長が、モロに体感できる作品集!!
「俺、全然変わってねえじゃん」

帯裏
デビュー当時の読み切り[イワオカ]、しかも編集者にボツにされた作品[俺たちには今日もない」「準ちゃんS.O.S.][失念]も掲載。それどころか学生時代、勢いだけで描いてしまった作品[工場見学]まで掲載。かと思えば最新のビシッとした作品[せかい!!岡啓輔の200年][It Follows Me 童貞的中年奇譚]も併せて掲載!!
その後にバンチ連載新刊の告知。

「イワオカ」
…イワオカとカネタの話を、アライが描くという…
 作者の父方が、秋田から北海道への移住者だったと、
 コメントにありますが、その後横浜のどこいらへんだったのか。
 綱島とか日吉っぽいと勝手に思っています。
 食肉偽装にあれほどこだわった理由も知りたいです。
 ダティ・グース*1のようになる目はなかったのかなあ。
 なかったんだろうなあ。
 狩撫麻礼原作新井英樹作画の漫画を、奥村鶴の一声で、
 描かないかなあ。描かないだろうなあ。

「俺たちには今日もない」
ちばてつや賞獲りながら掲載されなかったとか。
 そんなこともあるのか。作者が作者の漫画よりイキオイがあったから、
 漫画はストップだが作者は囲い込まれたのかなーとか、
 勝手に思います。笠原倫が持ち込み時代、毎回革ジャンで、
 ビシッと決めてた話をわけもなく思い出します。
 カリアゲのハウスマヌカンというか、吉祥天女というか、
 基地のフェンス描けば神奈川なのか、とか、そんな感じ。
 矢作俊彦になる目はなかったのかなあ。なかったんだろうなあ。

「準ちゃんS.O.S.」
…宮本から君への途中から女性像が変わるので、その前の女性像。

「失念」
…横浜の高校は、購買部で文庫本売ってるのか、とか、
 横浜なのに出てくる街の書店が有隣堂でなく文教堂? なんだ、とか、
 そういう漫画。このまま八月の光に行くですが、その後、
 もっとそっちに行く目もあったんではないかと。
 宮本から君へがマルコポーロで読みたくない漫画一位に輝き、
 路線が決定する前の過渡期。なので、面白いです。
 アマゾンレビューで、内田春菊どうこうとあり、
 作者コメントでも似せようとしたとありますが、全然です。
 というか頁122の書店員は似てるので、それのことか。

…次がスペリオール掲載の実録ルポインタビュー漫画。
 諸事情もコメントに書いてあり、うなづけますが、
 情報量も多いし、よく分からないです。
 マイホームの頭金、細君の実家から借りたと逆切れ気味に
 強弁してましたが、別に、さくっと軽く言ってもいい気瓦斯。
 親との関係ってのが、若い頃の、実家で漫画描いてたと、
 実家を強調するくだりからも、なんかあるんだろうなと思いつつ、
 それが何かぴんとこないです。

…その次が、モーニングの、魅惑のトップス復活みたいな、
 のに載せた漫画。同じ企画に参加したいましろたかしの漫画読むと、
 担当は講談社正社員でなく、フリーの編集者だそうですが、
 それと漫画家がダブル不倫する話… ではないです。
 残念閔子騫

「工場見学」
矢作俊彦のようになる目はなかったのかなあ、ほんとに。
 やらないか、みたいなネタは、誰もが考えついてたという症例。

以上です。