『冷えたギムレットのように 美酒ミステリ傑作集』読了

国立国会図書館サーチ
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001634459-00
編者⇒小鷹信光 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E9%B7%B9%E4%BF%A1%E5%85%89
装画 灘本唯人
装幀 高麗隆彦
上記Wikipediaによると、のちに『美酒ミステリ傑作集』のタイトルで河出文庫に入ったとか。
あとがきに、コラム作成にあたっての参考文献一覧あり。
各話それぞれ別のお酒やカクテルが登場し、それを説明するコラムがあり、また訳注もあります。
訳注はたとえばこんな感じ。

頁171
スニフター 1 snifter ブランデーなどの香りが逃げないように上が狭くなった西洋梨型ブランデーグラス。


同じページにアルマニャックがあり、なんだっけ? と思いましたがそっちは註なしでした。

頁185
チャツネ 1 chutney くだもの・とうがらし・にんにくを混ぜ合わせてつくった甘ずっぱい辛味の香辛料。

作者は下戸で、どのお酒もひとくちかふたくちが適量だそうで、だからこそ、毒酒や悪酒の話も忌憚なく盛り込んでアンソロジーが作れたのではないか、なまじ酒に愛があるとそういうのは忌避したくなると思うから、とあとがきで書いています。また、だからこそか、このアンソロジーは、そのへんのヨイドレ読本や二日酔い横丁とは違うという矜持があるようです。古今東西美酒ミステリーは数あれど、編者はみな愛飲家鯨飲家であった、かれらに生じるためらいがワタクシはない、という…
<List>
・冷えたギムレットのように フランク・シスク著 小鷹信光
 "A Very Cold Gimulet" by Frank Sisk 
 ギムレット
 ⇒巻頭にふさわしいエンタメ小説。おもしろかったです。
・憎悪の報酬 フレッド・ルヴォン著 大村美根子訳
 "Turmoil" by Fred Levon
 マティーニ
 ⇒ネタバレ以外感想が書けません。生㌔
ナツメグの味 ジョン・コリア著 矢野浩三郎
 "The Touch of Nutmeg Makes It" by John Collier
 ジョージア・フィリップ
 ⇒ネタバレ以外感想が書けません。本栖湖河口湖山中湖精進湖
・最後の一壜 スタンリー・エリン著 矢野浩三郎
 "The Last Bottle in the World" by Stanley Ellin
 ニュイ・サントアン一九二九
 ⇒既読。このお金持ちがオナシスのようなギリシャ系でなかったら、どうお話が組み立てられたか考えると暇つぶしになります。
・おごりの一杯 コリー・フォード著 間山靖子訳
 "One on the House" by Corey Ford
 オレンジエード
 ⇒こまたの切れ上がった短編。
・二人のウィムジイ卿 ドロシー・L.セイヤーズ吉野美恵子
 "A Matter of Taste" by Dorothy L. Sayers
 ヨハネスブルク・ワイン
 ⇒散文チックな文体で、よく分かりませんでした。
バーテンダーの死 デニス・リンズ著 小鷹信光
 "Even Bartenders Die" by Dennis Lynds
 アイリッシュウイスキー
 ⇒これもよく分かりませんでした。集中して読んで中田という理由もあります。作品に失礼。
・爪楊枝 ジェイムズ・ホールディング著 大井良純
 "The Toothpick Murder" by James Holding
 スコッチ・ウイスキー
 ⇒よい作品なのだと思いますが、好き嫌いでいうと以下略
・ピエトロの友だち ジェイムズ・A.カーチ著 郷睦美訳
 "The Friends of Pietro" by James A. Kirch
 リースリング・ワイン
 ⇒ドヤ街もの。ただしイタリアの。
・昔、ある殺人者が… A.A.ミルン著 吉野美恵子
 "Once A Murderer......." by A. A. Milne
 トカイ・ワイン
 ⇒オチまで読むと、オチの主人公と同じ動作をしたくなります。
・ノー・ストーリイ ドナルド・E.ウェストレイク著 沢川進訳
 "No Story" by Donald E. Westlake
 ブランデー
 ⇒散文。カルヴィーノの、冬の夜一人の旅人が、みたいな話。
・赤ワイン ローレンス・G.ブロックマン汀一弘
 "Red Wine" by Laurence G. Blockman
 シャムベルタン一九一一
 ⇒いちばん気に入った話。アジアが舞台だからか。自分の狭量さがよく分かりました。
・二本目の瓶 ジェイムズ・ロナルド著 山崎秀雄訳
 "The Second Bottle" by James Ronald
 ?
 ⇒私も昔、深夜三時までのウェイターをやってたことがありますが、こういう客は来なかったです。
・編者あとがき 酒とミステリの因果な関係 小鷹信光
<リストオワリ>

以上