『 7人のシェイクスピア NON SANZ DROICT(5) 』(ヤンマガKCスペシャル) 読了

これの新刊に関してはアマゾンのAIもまだまだという感じで、私に告知はありませんでした。今日偶然本屋で見つけたマンガ。

リーが表紙ですが、リーが中国人という設定は、最初から読んでいれば分かるのですが、途中からだと、登場人物紹介にそこは触れてないので、みなそこを考えず読み進んでいくと思います。

この巻と次の巻はマクベスだそうで、三人の魔女が今風のコケティッシュなボンテージで(ボンテージは今風ではないと反論されればその通りとも思います)、へーと思いましたが、私が物知らずなだけで、けっこうこういうアレンジはあるのかもしれないと不安になってみたり。今後、有名作品が出るたびに、こうしたビジュアル面での新解釈が楽しめるんだろうなと思います。ハムレットリア王じゃじゃ馬ならし真夏の夜の夢もいやいやながら医者にされも。

で、私は、「きれいはきたない。きたないはきれい」というあの有名なセリフの原文は、「ビューティーイズダーティー、ダーティーイズビューティー」だと思ってたので、間違いが分かってよかったです。でももうあちらの人にそういってペラペラカタコト英語でまくしたてたことがある気もする。どうりでつうじなかったわけだです。

以下後報
【後報】
装幀/柳川価津夫+大野裕介(SPICE)

帯と帯裏の文句
7人とは誰か?
チームで目指す“世界最高の作家”への道!
名もなき彼らの正体とは―――!?

ハロルド作石の肩書というか代表作紹介と今作が完全新作であることの告知。
“劇場戦争”勃発!!
この戦場でシェイクスピアは英雄となる――。

カバー裏文句
明かされる“7人”の意味。
――そこに込められたのは、創作への惜しみなき賛美!!

そんなメタファーがあったのかどうか分かりませんが、主要登場人物は七人以上いますので、そこで、別に、「1ダース/十三人のシェイクスピア」であっても、十三億のシェイクスピアであっても、いいとは思うのですが、どうもチームのハミ仔というか、創作面以外の貢献と創作面での貢献とで、価値がいろいろなんだかんだどうのこうの愛憎が錯綜する的な場面があります。七人で縛る理由はタイトル以外ないはずなので、七人で縛るセリフを口にするキャラは冷静に考えると、少し違和感がありました。しかし、これまであんまり馴染みのない戯曲や中世イギリスの風俗に受け身でつきあってきた読者としては、やっと知ってる作品が出た、マクベスよく知らないけど、あの壺はいいものだとか言って南極条約で禁止されてる水爆使用してガーナ代表なんですよね、とうきうきしてるので、それでいいと思いました。
末広がりのシェイクスピア。八大莎翁。
(2018/7/22)