Hirohiko Araki JOJO'S BIZARRE ADVENTURE Pat8 JoJolion vol.18 Thus spoke Kishibe Rohan vol.2 07.19 ON SALE!!


渋谷

魔少年ビーティー単行本一冊打ち切り、バオー来訪者単行本二冊打ち切りと来て、絵柄だけはクツの形などフォクシーレディー風になった荒木飛呂彦が、三度目の正直もジャンプ巻末爆走して屋敷が燃え落ちてスピードワゴンが「この人は勝ったんだッ!!」と叫んで連載三回すべて打ち切りの危機だけは回避出来て(この場面は二巻のさいごからひとつ前の話。打ちきりだったら次が最終話で単行本二巻「完」だった)その直後「仙道センドー」などというまたワケの分からない能力が始まりカエルがメメタアとのされたりしたあの頃、誰が今日の荒木余生安泰時代を予測出来たでしょうか。
(波紋を出して、マゴのカルい性格のジョセフを出したからすべてが改善されたわけでもなく、第二部ラストのカーズとの闘いは、エジプト旅行の時間をひねり出すための描き溜めだったのか、再度巻末爆走しててやきもきしました。周囲の予想も、第三部新設定で巻き返せると思ってるんだろうが、どうせ1999年七の月にカーズが天から降って来るハルマゲドンなんだろ、てなもんで、幽波紋と書いてスタンドと読むような展開を予想出来た人類はひとりもいなかったのでした。何がバビル二世インスパイアだ、てなもんで)
ビッグコミックオリジナルの今号のコラムで、魚住桜子という人が、カンヌ映画祭でウケる映画の変遷を社会性偏重傾向と分析していて、とても示唆に富んでいて面白かった。エンタメに徹した映画がパルムドールを獲れたのはタランティーノパルプフィクションが最後ではないか、うなぎやキアロスタミ桜桃の味はヒューマン路線だが、現在であったならパルムドールを獲れたかどうか。今年の作品でいうと、ハルキ・ムラカミの納屋を焼くが原作の韓国映画、バーニングは批評家からは絶賛だったが賞を逃した。賞を獲った一連作品、万引き家族やスパイクリーの白人黒人もの、レバノンベイルート、難民を描いた映画に較べると、納屋を焼いてもしょせん初期型ハルキ、アンダーグラウンドを書いて、雨傘運動に言及し、こないだ写真見たらアイビールックですらなかったハルキではないので、韓流で作っても、さて、ということかなーみたいなコラムでした。後半の村上春樹評は私が今べらべら書きました勝手に。
流行らなかった新語で私の好きな言葉が「分衆」なのですが、そんな時代でも、ウケるものはウケて、それはかつてウケていたものと往々にして同じではない。おもしろいものです。