『燕のはさみ 1巻 』(ハルタコミックス) 読了

燕のはさみ 1巻 (ハルタコミックス)

燕のはさみ 1巻 (ハルタコミックス)

その辺にあったマンガ。後報で。
【後報】
初出はハルタ35,37,38,40,41,43号とありますが、2017年6月15日の初版で、2017年の号数なのか2016年の号数なのか分からないと思いました。⇒追記。所謂号数雑誌のようなので、この初出表記でよいのだと分かりました。同日。
https://www.enterbrain.co.jp/product/magazine/harta

装丁:黒木 香 +ベイブリッジ・スタジオ
担当:広井 優

アンケートハガキと、ハルタの漫画を紹介する四ページ漫画がおまけに入っています。

帯はありますが、特に写しません。

ザギンで、大正10年(=関東大震災前)で、うら若き女性理髪師(二代目)の話。手に職があるので、部屋は汚いです。父親(も理髪師)と二人暮らしなので、とにかく私生活は乱雑。見合い話は断る。ライバルの、チェーン店の雇われ店長の女性理髪師(ひとりで生きてゆくのね)に、あなたについてる客はいない、ぜんぶ親の客、と看破されて絶望?というところで一巻はおしまい。

髪結いの亭主ということばがあるように、業界的には整髪で稼ぐ女性が昔からいたかと思いますが、この話は理髪師なので、客は男性、剃刀技が大半です。このころまだ冷やしシャンプーはなかった、山形にも。式亭三馬浮世床という髪結いの噺があり、孔糞先生という貧乏儒者の月代を剃る場面から始まったと思いますが、このマンガは近代、保健所許認可の理髪店なので、ちょんまげはいません、みなザンギリ頭。

朝日文庫の『華僑』で読んだのですが、華僑の三大職業を、サンバーダオ(三巴刀)と言い、バーバーとテーラーとコックだそうです。手に職、修業が資本の、髪切りバサミ一丁、洋バサミ一丁、中華包丁一本、サラシに巻いて四海の渡世を歩いてゆく。そういう人は本書では出ません。寿司職人漫画『音やん』にはサシミ包丁一本で店を渡り歩く流しの職人が登場します。

頁139左上のコマの耳たぶがよかったです。以上
(2018/9/28)