「ポップ・アイ」(原題:"Pop Aye")劇場鑑賞

レディースデーの今日、通常料金で見た映画。武蔵野館のバッド・ジーニアスが今日(水曜メンズデー)も満席で、見れないのだとネットで確認して愕然として(映画の日は終日台風片づけ)、やけを起こしてシネマリンに行って、通常料金で見てスタンプ押してもらいました。とにかくスタンプを押し終わりたい欲求があります。今年の一月十七日に観た「ラモツォの亡命ノート」*1から一年以内に押し終わらないという強迫観念がありましたが、昨年十二月に観たと勘違いしていて、今検索して安心を得ました。
英語版Wikipedia https://en.wikipedia.org/wiki/Pop_Aye
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/en/4/4c/Pop_Aye_poster.jpgポップ・アイという邦題ですが、ポパイです。象の名前がポパイなのでポパイ。配給会社は実に慾がないと思いました。原題そのままで、何もひねらなかった。ポパイはセーラーマンのポパイから来てますが、綴りは流石に変えています。popeye でなくpop aye。
大友克洋矢作俊彦の『気分はもう戦争』に、ポップ・アイド(pop eyed)という架空の雑誌が出てきて、「ボクたちだってしたいんだ、戦争が!!」という特集記事がバーンと描かれてますが、それは関係ないと思います。
オカマがカラオケで歌う歌は、ナコーンパノムとかウボンラーチャータニーとかに北爆用の米空軍基地があった頃の、タイ人現地妻の気持ちをタイ風の英語歌詞で表した歌で、こんな歌あって、英語が苦手といわれるタイ人でも英語で歌えるのかと、映画見ながらシャッポ脱ぎました。あーたはイリノイに帰ってしまふのね、妻であるあーしをタイランドに置いて♪ 公式に、映画バンコクナイツ関連の人が曲の邦題を書いてそれに触れているのですが、歌のジャンルであるルークトゥンタイ語表記ลูกทุ่งと邦題「娼婦の手紙」の、娼婦と手紙をそれぞれグーグルでタイ語翻訳してアンド検索かけてみたのですが、その歌の動画は出ませんでした。學刈也。

製作会社によるPOP AYE Official Trailer

なぜこの映画を観ようと思ったかというと、タイを描いたロードムービーなのですが、撮った監督はシンガポーリアンということで、そこに興味を覚えました。キルステンと読んでましたが、公式等ではカーステンと英語読み?させています、監督の西洋名。上の英語版トレーラー冒頭を見ても分かる通り、漢字名の制作会社が名を連ねています。英語と簡体字文化圏を並立させる國、シンガポール
公式 http://trenova.jp/popaye/
http://trenova.jp/popaye/images/staff1.jpg監督は、チラシで見て、女性という記憶でしたが、公式の写真を見て、あれ? 斬新な感性とか映像センスがみずみずしい兄ちゃんかな? と思い、東京国際映画祭の登壇動画を見て、その認識をもう一度修正しました。あまりそこに捉われるものではないな、と。タイはわりと中規模的な都市にも地元の人や出差相手のプロスティテュートの人がいますが(日本にもいるか)、そういうのもよく描いているので、それもあって性差を混同したです。

東京国際映画祭の登壇動画

この主演男優は公式によると、80〜90年代にかけて、タイのプログレッシブ・ロックのパイオニアとしてヒットチャート1位を獲得するなど高い人気を誇った人だそうで、安齋肇本秀康が公式にコメント寄せているのもむべなるかなと思いました。あの頃君を追いかけたが日本でも制作されたように、この映画が日本で制作されるなら、安齋肇主演かも。いや、主演はリリーに譲って、安西は乞食役とか。どうか。
その奥さん役は、80年代にはタイのセックスシンボルとして高い人気を誇ったそうで、日本で作るなら、NHKかんさい土曜ほっとたいむの千堂あきほなどどうだろうと思いました。想像だけで書いています。

チラシ、ポスター
旅は道連れ 世は情け

ゾウと中年男、タイ縦断500キロの摩訶不思議な旅がはじまる!

主人公のオッサンは建築家として成功してる人なので、お金はふんだんにあり、ゾウも原付も即座に衝動買い出来ます。そこがまず魔法なので、気らくに見れます。あまり、「脱力系」ということばは使いたくないのですが(イメージが固まってしまうので)そういうジャンルに置かれてしまう可能性もなきにしもあらずです。でも、動物映画ジャンルかな。私は志村動物園も全然見ないので(でも秋田犬をあきたけんと音波にすると秋田県と混同するので、テレビではあきたいぬと読んでいることは知っています)ゾウ足曲げたり芸達者だなと思いました。
ラスト二十分切って、ライチの種飛ばし合いが終わったところで、よっしゃ仕事明け雑用明けでも今日は寝なかったど、と安心したら寝てしまいましたので、ゾウとの別れは記憶になく、気がつくとなんか素敵なビルに灯りが灯って夫婦和合のエンディングで、象映画なのに狐につままれた気分です。

トラックヒッチで、片腕を横に伸ばして上下にぷらぷらさせて車止めてますが、中国と同じだと思いました。日本でこれをやって、止まるタクシーがいるか実験したことはありませんが、これだけ外国人観光客が増えたので、どうか。

ホウシャオシエンのギム人生で、立ちションするヨッパライ日本人を、「きたないぞ」と言って主人公が殴る場面がありますが、この映画は、立ち小便の場面がけっこうあります。少林サッカーでもン・マンタがサンミゲルの缶ビール(香港だなあ)飲んで立ち小便の場面がありました。シンガポールは当然立ち小便ダメなはずで、タイを描くさいそういうとこも活写したかったのかと思いました。乞食、オカマ(シンガポールでも、通りの名前は忘れましたがヤオグワイはいたかと)僧侶、ゾウ、イサーン。

バンコクから来たのかとジモティから訊かれる場面、コンテープと言っていて、あ、タイの、階層とか地方とかで出てしまう「ら抜き言葉」現象だと思いました。クルンテープがコンテープ。ソイ・プラスティックがソイ・パスティック。ロイクラトンがロイカトン。サワッディークラップがサワッディーカップ。トートマンプラーがトートマンパー。

メンズデーでなくてもわりと男性客も来るのだなと分かりました。会員の方かもしれません。シネマリンの高校生八百円は安いと思います。映画の日よりメンズデーレディースデーカップルデーより安い。スマホに月八千円払ってる高校生はその額で月10回も劇場で映画鑑賞出来るのだなと。素晴らしい。

ポパイ Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%91%E3%82%A4
ルーイ県 Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%A4%E7%9C%8C

配給会社による予告編

以上